なぜバック駐車は難しい?
運転に慣れていない人は「バックで駐車するのが難しい」と口を揃えて言います。なぜでしょうか?
教習所での練習時間が短いため
教習所では運転の基本的な操作と路上での状況判断に多くが割かれるので、バック駐車の練習にあまり時間を割くことができません。そのため、多くの人はバック駐車に慣れないまま、苦手意識を持ったまま免許を取得することになるのです。
路上を走るようになっても、苦手意識からバックで駐車するのを避け続け、気づいたらバック駐車ができないドライバーになってしまうこともあるようです。
車両感覚が把握できていないため
免許を取得したばかりだと、車両感覚を把握できていない可能性があります。バックそのものの経験が少なく、車を駐車するという操作が難しく感じてしまうのです。
そこで次項では、バック駐車に欠かせない車両感覚の鍛え方を紹介します。
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車両感覚を鍛える3つの方法
車両の全長と全幅を知る
車両感覚が身に付いていない原因の一つに、車両の全長と全幅を把握できていないということがあります。全長と全幅は、車の車検証に記載されていますので、確認すればどのくらいの長さがあるのかをすぐに知ることができます。
わざわざ車検証を出して確認するのが面倒であれば、車に乗る前に両手を広げて車両の全長と全幅が何メートルあるのか、ある程度は把握できるでしょう。
個人差はありますが、片腕を伸ばして1m前後だとすると、両手を広げれば約2mになります。正確な数字ではありませんが、だいたいの大きさを把握することは可能です。
道幅と合わせて確認しておくと、より長さや大きさの感覚がわかるでしょう。
死角を知る
運転席に座ったら、どのくらいの範囲が見えるのか確認しましょう。目視だけでなく、サイドミラーやルームミラーなどを使って、前方だけでなく、車の左右や後方の視界も確認してください。
その後、そのまま走り出すのではなく、一旦車から降りて、見えない範囲がどのくらいあるのかも確認しましょう。
特に、乗り慣れていない車や、初めて買った車に乗る時は、車の前後左右の死角を知ることが重要です。運転席から見える範囲、見えない範囲を知ることで、車両感覚を研ぎ澄ませることができるのです。
【死角の確認手順】
- 目視による前後左右のチェック
- サイドミラーによる右側方、左側方のチェック
- ルームミラーによる後方のチェック
- 降車して見えていた部分と見えていなかった部分のチェック
最小回転半径を知る
最小回転半径とは、例えばハンドルを右に目一杯切ったときの、左のタイヤの中心が描く円の半径を指します。簡単に言えば、「小回り」がどれくらい効くのかを表したものです。
この数値が小さければ小さいほど、狭い範囲でも壁にぶつからずに通り抜けられる、小回りが良い車であることを意味しています。
ちなみに、教習車などでもよく利用されているセダン・トヨタ カローラ アクシオの最小回転半径は4.9mです。また、日本国内での新車販売台数で上位をキープしている大人気ハッチバック・トヨタ ヤリスの最小回転半径は4.8~5.1mとなっています。
最小回転半径は、運転のしやすさに直結すると言っても過言ではありません。この数値を知ることで、車両感覚を鍛える一助になるだけでなく、車を買う時、レンタカーで車種を選ぶ時などの参考にもなります。