近年、ステーションワゴンを使ったタクシーの増加や、カローラツーリングの販売好調、指針技術を投入したレヴォーグの堅調な販売実績もあって、「そろそろステーションワゴンブームが再燃するか?!」という声も聞かれるようになってきました。

そこで今回は、1990年代ステーションワゴンブームで各社から発売され、2000年代にもわずかながらリリースされた動力性能の高い激速ワゴンの中から、単なる直線番長に留まらない3台を厳選して紹介します。

スバルGF8 インプレッサスポーツワゴンWRX STIバージョンIII(1996年)

セダンWRX STI RA用のDCCDを組んでジムカーナなどへ出た人も

1994年にセダンと同時デビューした初のWRX STIバージョン

積載性はさほどないものの、その名の通りセダン譲りの侮れない走行性能を誇り、4WDターボのWRXも登場したスポーツワゴン。

より尖った性能のSTIバージョンがセダン同様に登場。1996年に登場したSTIバージョンIIIでは当時の自主規制値280馬力へ到達し、同クラスワゴンでは国内最強になりました。

セダンと違い、競技ベース車の「タイプRA」は設定されず、サイドブレーキ作動時に後輪の駆動を解除するDCCD(ドライバーズコントロールデフ)は搭載されませんでした。DCCDを積むなどの改造したスポーツワゴンWRX STIは地方のモータースポーツでセダンやクーペ顔負けの走りで活躍しています。

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日産WGNC34 ステージア オーテックバージョン260RS(1997年)

スカイラインGT-RのRB26DETTを移植した理想のスーパーワゴン

迫力マスクは伊達じゃない、中身はスカイラインGT-Rそのものなステージア260RS

国産ステーションワゴンで動力性能や走行性能に秀でた車は多数ありますが、中でも「最高のエンジンRB26DETTと最高の駆動システムATESSA E-TS」を与えられたこの車を激速と言わずなんとする?というくらい凄まじいワゴンです。

型式こそ同時期のローレル(C34)由来ですが、実質的にはスカイラインGT-Rのステーションワゴン仕様そのもの。スカイラインではなくローレルを販売していた日産モーター店(ローレル販売会社)にとって「販売できる唯一のGT-R」でもありました。

中身に合わせ、BNR34などスカイラインGT-Rのフロント部分を移植したフェイススワップなど、速さに見合ったカスタマイズも人気です。