災害発生時は停電になることも多く、日常生活がストップしてしまうことも珍しくありません。そうしたとき、車のバッテリーによって電源を確保することもできます。

平常時はカーバッテリーを家電などの電源に使用することは望ましくありませんが、いざという時には”備え”になります。

近年では電気自動車やプラグインハイブリッド車の大容量バッテリーが災害時の給電機能として注目されていますが、実際にはどの程度使うことができるのでしょうか?

車用バッテリーでどんな家電が何時間使える?

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JAFでは車のバッテリーを用いた災害時の電源供給を検証しており、「電気自動車(EV)」「プラグインハイブリッド車(PHV)」「ハイブリッド車(HV)」「一般車(ガソリン車)」の4車種で実験を行っています。

実験においては、EV、PHV、HVでは車内搭載のACコンセントを使用。一般車ではインバーター(1,000W)をエンジン始動用の鉛バッテリーに直接つないでいます。

検証が行われた家電は、以下6つ。

  • スマホ充電器(5W)
  • 電気毛布(80W)
  • ライト(100W)
  • 電気ストーブ(400W / 800W)
  • 電気ポット(430W / 1,250W)
  • ホットプレート(1,350W)

検証結果は、EV、PHV、HV(エンジン始動が前提)では6種類全ての家電が使用可能でした。一般車の場合は、インバーターの容量によっても変わりますが、電気ストーブや電気ポットなど、定格出力内のものは使用することができました。

ただし、一般車では電気ストーブ(800W)を9分間使用した時点でバッテリーの電圧が下がり、インバーターの保護回路によって電気供給がストップしたようです。

結論として、EVやPHVは災害時の電源として活用が可能なようでしたが、一般車の場合は消費電力の大きい家電は、車用バッテリーにより長時間使用することは難しいという結果が出ています。

もしもの時に電源を確保できる車も登場

トヨタでは『防災給電』という名で、非常時に”クルマを電源として使う”取り組みがなされており、現在はアクアやプリウスなど、さまざまな車種が給電機能に対応しています。

台風や豪雨、地震などによって被害を受けた地域にPHVやHVを派遣し、電力供給を行うなど、災害時の電源確保に役立っています。プリウスPHVの場合、満充電・ガソリン満タン時には、消費電力が400Wであれば約4日分の電力供給が可能だそうです。

EVやPHVの大容量バッテリーは、例のように非常用の電源として活用できるでしょう。

対して一般車の場合は、バッテリーからある程度の電源供給はできるものの、消費電力の大きい家電を長時間使用するのは難しいため、大容量のモバイルバッテリーなどを準備したほうが現実的といえます。

取り外した鉛バッテリーを使用するのはおすすめしない

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余談にはなりますが、使わなくなった車用バッテリーを電源として再利用したいという人もいるかもしれません。しかし、バッテリーを所定の位置以外で使用することはあまりおすすめしません。

車用のバッテリーは、過度に放電してしまうとすぐに傷んでしまいます。

また、一般車でよく使用される鉛バッテリーは、古くなり液が減った状態で外部電源などによって充電し、過充電になった場合に有毒ガスが発生する恐れがあります。

過去にはバッテリーから発生したガスによって車内で死亡事故も起きているほど。充電する際には風通しの良い場所で行わなければなりません。また、横に倒れたりすると希硫酸が漏れる可能性もあり危険です。

電池工業会も「カーバッテリーを本来の位置・目的以外で使用することはおすすめできません」と回答しているため、緊急時を除き、カーバッテリーを所定の場所以外で電源として使用することは避けたほうがよいでしょう。

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