「タイヤに窒素」整備士から見てあまり意味がないと思う理由
窒素ガスのメリットは理解していますが、私自身、整備士として働いているなかで、窒素ガスはあまり意味がないと感じることがあります。
そこで、窒素ガスを入れても意味がないと思う理由をお伝えします。
「窒素ガスを入れているから」とメンテナンスをしなくなる方が危険だから
窒素ガスを入れている方のなかには、「窒素ガスを入れているからメンテナンスをしなくてもいい」と勘違いしている方がいます。
窒素ガスは確かに空気圧が減りにくいのですが、窒素ガスでも少しずつ空気圧は減ります。
いくらメリットの大きい窒素ガスを入れていても、空気圧が低すぎる状態は危険です。窒素ガスだから、とメンテナンスを怠るくらいなら、空気を入れてマメにメンテナンスする方が安全に走行できます。
窒素タイヤに空気を混ぜると意味がないから
せっかく窒素ガスを入れていても、空気を補充すると意味がありません。多少、窒素ガスの割合は高くなるでしょうが、空気内にも一定の窒素が含まれているため、効果があまり期待できないのです。
その背景には、窒素ガスを補充するデメリットでもある、店を選んで補充が必要という点で、めんどくさいと感じている人が多いのかもしれません。
せっかくお金をはらい窒素ガスに変えているのに、もったいないなと感じます。
窒素タイヤはエアバルブのキャップで見分けよう
窒素ガスを入れているかどうかを見分けるためには、エアバルブのキャップを確認しましょう。窒素ガスを入れているなら、プラスチックのキャップではなく、アルミ製で「N2」と書かれているはずです。
しかし、ドレスアップ目的などでエアバルブを変えている車では、この方法は使えません。その場合は、運転席のドア付近に、窒素ガスのシールなどが貼られていることがありますので確認してみましょう。
無料で補充をしてもらえないことがあるから
ガソリンスタンドをはじめ、空気圧の補充をサービスで行う店は多いです。しかし、窒素ガスを入れていることによって、そのサービスが受けられなくなります。
タイヤの劣化は紫外線の影響が大きいから
窒素ガスのメリットに、タイヤやホイールの劣化を防ぐことがあります。しかし、タイヤの劣化には酸素が発生させる水よりも、紫外線の影響の方が大きいです。
タイヤはゴムなので、紫外線によって劣化します。そのため、タイヤ内のワイヤーよりもゴムが先に劣化して交換することがほとんどです。
また、最近のタイヤは鉄よりもアルミを採用しているものが多く、水によるサビをそこまで気にする必要はありません。
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窒素ガスでも空気でもどちらを入れても間違いではない
以上のことから、窒素ガスを入れる意味はあまりないと感じています。
窒素ガスにメリットがあることは事実であるため、私個人としては窒素ガス、空気どちらを入れてもよいと考えています。
大切なのは、特性が違うことを理解し、タイヤのメンテナンスをきちんと行うことです。空気を入れても窒素を入れても、適正な空気圧を維持できなければ意味がありません。
お金をかけてでも、メリットの大きい窒素ガスを入れるのか、無料の空気で済ますのか。いずれにせよタイヤの空気圧や劣化状態の確認は、定期的に行いましょう。
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