コンセプトが変わろうと、OEM車に名残を残すのみとなろうと、同じ車名で歴史をつむぎ続ける車もあれば、ある段階で日本国内での販売終了、あるいはイメージチェンジのため車名を変え、長い歴史に幕を下ろす車もあります。

今回は戦前からの老舗で歴史の古い車が多い日産車の中から、現在日本国内で販売する車に名前を残していない3台の最終モデルをご紹介します。

サニー(1966-2004・38年)

サニー最終モデル、B15型サニー スーパーサルーン(2002年マイナーチェンジ後)

後に「マイカー元年」と言われる1966年、終生のライバルとなるトヨタ カローラともども初代モデルが登場。1,000ccクラスのエンジンに、当時のユーザーが求める立派な内外装と品質を備えつつ、現実的な価格で発売された初期の傑作大衆車でした。

ファミリーカーとしての2/4ドアセダン、スポーティなクーペ、実用的なライトバン、そして初期の傑作ステーションワゴンだったサニーカリフォルニアなどさまざまなタイプを有し、派生モデルも数多く作られます。

しかし末期にはセダン市場の不振と古臭いイメージからの脱却に失敗、販売低迷の末にティーダラティオやシルフィを後継として日本での販売を終えました。

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セドリック(1960-2014・54年)

2014年まで作られた最後のセドリックは、10代目Y34ではなくタクシー/ハイヤー用途の7代目Y31セダン(画像は1996年式)

先行したトヨタ(クラウン)やプリンス(プリンスセダン、グロリア)に対抗する日産初の高級セダンとして登場。プレジテントの前身となる2.8リッターエンジンを搭載した3ナンバー高級モデル、セドリックカスタムを設定するなど、車格向上にはライバルより先行しました。

日産に吸収合併されたプリンスからグロリアを兄弟車に加えて代を重ねるうち、保守層向けより若干ダーティな雰囲気漂うパーソナルサルーンとして、ライバルへの差別化を図ります。しかし、2004年にフーガを後継として消滅。

ただし7代目Y31型セダンのみ、タクシーやハイヤー用途の営業車モデルとして長らく継続生産され、2014年にようやく生産を終えています。