最近はATで効率化のためきめ細かい変速を行う8速、9速も珍しくなくなりました。しかし、MT派にとっては6速MT、それも5速MTへ巡航用の6速を追加したようなものではなく、クロスレシオの6速ミッションが憧れです。

1990年代以降はATやCVT車が増えた一方、スポーツユーザー向けに6速MTも数多く設定されるようになりました。そんな過去の6速MT車を振り返ってみたいと思います。

スバル360(3速MT×2段副変速機・1958年)

副変速機で3速×2=6MT仕様な1963年式スバル360デラックス

いきなり「6速なんてあったっけ?」と思わせてしまいますが、本格的に量販された初の軽乗用車、スバル360には通常の3速MTのほか、レバーでハイ・ローを切り替える副変速機搭載型もあり、1速ロー・1速ハイ・2速ローと切り替えれば6速MTとして使えました。

後に全て3速+オーバートップの4速MTへ全て切り替わりますが、後に三菱も初代ミラージュなどで同じく副変速機を使った4速×2で実質8速MTを採用しています。

1964年の第2回日本グランプリでスズライト・フロンテを打ち破る原動力になったとも言われますが、実は1-2フィニッシュを決めたスバル360でも「実質6速MT」は2位で、優勝車は4速MTでした。

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2代目マツダ ロードスター(NB・1998年)

1.8リッターで6速MTな、2代目マツダNB8C ロードスターRS

1990年代になると、トヨタが80スープラへゲトラグ製6速MTを採用したのを皮切りに、カローラ系で4A-GE+6速MT設定車を多数揃えるなど、6速MTはスポーツ系で増えてきました。

なかでも1998年に初のモデルチェンジで2代目NB系となったマツダ ロードスターは、1.8リッター車が6速MT(1.6リッター車は5速MTのまま)で、「安価に6速MTを楽しめるFRスポーツ」として注目されています。

翌年にはより本格的なFRオープンスポーツとしてホンダ S2000が登場。こちらも6速MTでしたが、マニアックな乗り味で高価なS2000より、ロードスターの方が手軽に6速MTを駆使するスポーツ走行を楽しめる車でした。