家庭などから出たゴミを収集して処分施設まで運搬するゴミ収集車は、日常生活になくてはならない働くクルマです。

私たちが普段見かけるゴミ収集車は、住宅街まで入ることが可能な2トントラック程度のものが多くなっています。途中で満杯にならずに、各家庭から大量に出るゴミをすべて積載することはできるものなのでしょうか?

収集中にゴミがいっぱいになったら…

ひとつの家庭から出るゴミの量は常に一定というわけではありません。もし、ゴミ収集車の積載能力を超えるゴミが出てしまったらどうなるのでしょうか。

このことについて、杉並区ごみ減量対策課の担当者は次のように話します。

「杉並区では、1.5トンほどのゴミを積めると想定された小型プレス車(狭小路地等は軽小型ダンプ車)で収集を行っています。

ただ、一度で各地域のゴミをすべて収集できるわけではなく、1日に1台あたり集積所とゴミ焼却施設工場などを、およそ6往復しています。もし、途中でゴミ収集車が一杯になってしまった場合、その往復回数を増やすことで対応しています」

つまり、ゴミ収集車は、普段から各集積所と焼却施設を往復していることになります。

しかし、各自治体では事前のルート設計を入念に行っており、各地域に合わせた適切な台数のゴミ収集車を配置しているため、極端に往復回数が増えるようなことは多くないようです。

最も効率よく集められるようなルートが考えられている

例えば、杉並区では、各地域の居住者数などからゴミの重さを統計的に判断し、最も効率よく集められるルート設計を行っています。

また、千葉県市川市では、集積所の変更や新設などの指示をした上で、ルート設計を専門業者に委託しています。

市川市では2017年より、家庭ゴミ収集の効率化を目的として、全ゴミ収集車にタブレット型GPS端末を搭載し、収集ルート軌跡などを市と業者で共有できるようにしています。これにより、居住者の実態に合わせた適切なルート設計を可能としています。

一方、多くの自治体では、市役所職員などが各地域を実際に調査するという人海戦術によって、ルート設計が行われているようです。自治体の規模にもよりますが、人口約40万人の地方都市では、ルートの設計自体に半年から1年を要すると言われています。

より小規模な自治体では、担当者や委託会社の経験と知識をもとにルート設計がされている場合も多く、各自治体によって様々な方法がとられています。

近年では、専用香料を用いて悪臭を低減させる機能を備えたものや、モーターで走行する電気自動車(EV)式のものなど多様なゴミ収集車が登場していますが、収集方法は同じです。

どの地域にどれほどの人が住んでいるのか把握しながら収集ルートを作っている自治体もあるとは驚きですね。

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