自転車専用レーン(自転車専用通行帯)がない道路では、車道と歩道を走っている自転車をそれぞれ見かけます。そもそも、自転車は法律上「車両・軽車両」とされているのですから、車と同じように車道の真ん中を堂々と走ってもよさそうなもの。車道のど真ん中を自転車が走行した場合、違反になるのでしょうか?

道路の中央から左側部分の左端に寄って通行する

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自転車で走行できる場所を理解するうえで、道路交通法にある次の3つの法律がポイントになります。

まず1つは道路交通法第17条(通行区分)。歩道等(歩道または路側帯)と車道が区別されている道路では、車両は車道を通行するように示しています。

2つ目は道路交通法第17条の2(軽車両の路側帯通行)。これには「著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側部分に設けられた路側帯(軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる」とあります。

そして、道路交通法第63条(自転車道の通行区分)です。これには、自転車道が設けられている道路では横断や道路状況の事情がある場合を除き、その自転車道を走行しなければならないとあります。

以上3つをまとめると、軽車両である自転車は、自転車道>路側帯>車道の優先順位で走行する必要があることがわかります。

また、警視庁が公開している「自転車安全利用五則」によると、「自転車が車道を通行するときは、自動車と同じ左側通行です。」とあります。

これだけであれば、右側通行していない限り、自転車が左側車線のどこを通行していても問題ないように思えるのですが、その後に「道路の中央から左側部分の左端に寄って通行してください。」と記載があります。

つまり、道路(車道)の真ん中を自転車で走るのはNG。自転車安全利用五則にも3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金の旨が記載されています。

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違反切符は切られずとも警察に注意される可能性が

車線のど真ん中を走行する自転車を実際に取り締まっているのか、筆者地元の警察官へ質問をしてみました。

「自転車が走行できるのは車道、左側端と二重線でない路側帯、自転車道、そして歩道(条件あり)です。自動車のように車線中央を走る自転車を見つけた時には、左側へ寄るように注意しています。

また、路側帯を右側通行する(車両に対して逆走する)自転車を見かけた時には左側走行するように注意します。」

自動車やバイクに乗っている時のように即時違反切符を切られる可能性は低いようです。しかし、違反通行によって起きる交通事故を防ぐために、警官から声かけがあると思ってよいでしょう。

自転車専用レーンのない道路では、基本的に自転車は車道の左側に寄って走行することになります。円滑で安全な交通を妨げないためにも、右側通行はもちろん、車道のど真ん中を自転車で走るのはやめましょう。

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