日本には「ダイハツ町」「スバル町」「ポルシェ通り」など、自動車メーカーにちなんだ地名やスポットがあります。

例えば、最も自動車メーカーに馴染み深い地名である「豊田市」。豊田市でトヨタ自動車が誕生したのか、トヨタ自動車にちなんで豊田市と命名されたのか、どちらなのでしょう?

自動車メーカーにちなんで市区町村の名前が変わることもある!

トヨタ 挙母工場 1938年

愛知県豊田市は、トヨタ自動車の本社があることで有名な都市です。しかし以前は豊田市ではなく、養蚕・製糸業が盛んな挙母市(こもろし)という名前でした。

挙母市にトヨタ自動車のルーツである豊田自動織機製作所の工場が建ち、トヨタ自動車が誕生。その後、自治体や住民との協議の結果、1959年に豊田市へと名前が変わりました。

現在、トヨタ自動車本社住所は「愛知県豊田市トヨタ町1番地」となっています。

同じように、大阪府には「池田市ダイハツ町1-1」という住所が存在します。ここはもともと池田市神田という住所でしたが、ダイハツ本社の移転に伴い1966年12月にダイハツ町へと改称されました。

群馬県太田市にはスバル町があります。1960年に富士重工業群馬製作所が設立され、2001年10月に従来の東本町からスバル町に改称されました。スバル町となっている区画はすべて工場であるため、住民はいません。

ちなみに、全国に複数ある本田町や松田町、鈴木町などには、自動車メーカーとの関係はありません。

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自動車メーカーの名前が付けられているスポットも

自動車メーカーにちなんだ名前が付けられている市区町村名のほか、自動車メーカーにちなんで命名されたスポットもいくつかあります。

ポルシェ通り

千葉県木更津市の市道125号線の一部、1kmに渡って「ポルシェ通り」と命名されている通りがあります。

この通り沿いには、2021年10月1日にオープンしたサーキット施設「ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京」があり、名付け親はもちろんドイツのスポーツカーメーカーのポルシェです。

スポンサーとして命名権を得るネーミングライツパートナー制度でポルシェジャパンが命名権を取得したため、2021年3年10月1日〜2026年9月30日まで「ポルシェ通り 」もしくはドイツ語の「Porsche Strasse(ポルシェストラッセ)」と呼ばれることになります。命名権の契約料は年額63万円だそうです。

マツダ ターンパイク箱根

かつてはマツダもネーミングライツを利用していた時期がありました。神奈川県の箱根街を経由する観光有料道路「箱根ターンパイク」は、2014年8月1日〜2018年2月28日まで「マツダ ターンパイク箱根」が正式名称でした。

マツダとの契約が終了し、自動車用塗装機器なども製造するアネスト岩田がネーミングライツを取得しているため、現在の正式名称は「アネスト岩田 ターンパイク箱根」です。

ニッサン通り

埼玉県上尾市(あげおし)には、旧・日産ディーゼル工業本社工場敷地に面した「ニッサン通り」があります。こちらはネーミングライツではなく、一般公募による命名です。

2002年にこの通り道を補修する際に名称を募集したところ「ニッサン通り」に決まり、2003年からこの名称が使われはじめました。

地図上でもしっかり「ニッサン通り」と明記されており、通り沿いの銀行やコンビニなどの店舗名にも「日産通り店」と入っていることがあります。