トラクションコントロールのデメリット

空転時の車速差が一定を超えた時に制御が入ることは、別の言い方をすればエンジン回転数が一定のところまでしか上がらないことになります。

アクセルを踏んで加速したい時にトラクションコントロールが働けば、アクセルペダル操作と加速が一致しないので違和感を感じるでしょう。

モータースポーツやスポーツ走行時のようにトラクションを稼いで車を前に進めたい場合は、トラクションコントロールがそれを妨げる要因となります。そのためトラクションコントロールをオフにし忘れると、思うように走れない可能性も。

ただし、運動性能やエンジンスペックが高い車両の場合、電子制御がかかっていない状態で雑なアクセルペダル操作をすると、タイヤが強力なエンジンパワーを受け止められません。そのため、簡単にホイールスピンしてしまいます。

ハイパワー車両を運転する時にはトラクションコントロールをオンにしておくのが無難とも言えるでしょう。

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トラクションコントロールの仕組み

車速センサーと実際の車速の差が介入の基準に

タイヤが空転している時、非空転時と比べて駆動輪が速く回転していることになります。しかし実際の車速は駆動輪の高回転に合わせて上がりません(空転しているのでトラクションが路面へ伝わらないから)。

この時、各車輪に装着されている車速センサーが感知する車速と実際の車速に差が生じます。これらの車速の差が、トラクションコントロールが介入する時の判断材料となっています。

実際に空転を抑える制御は、ブレーキ制御とエンジン制御によって行われます。空転した時に燃焼室への燃料供給をカットしたり、空転時に検知される「車速の差」が一定値を超えたら空転車輪にブレーキをかけるといった感じです。

トラクションコントロールは常に機能する?

トラクションコントロールは基本的に常に機能しますが、スイッチでオンとオフを切り替えられるようになっています。ある一定の場面ではトラクションコントロールの介入が運転を妨げることになるからです。

スイッチはステアリング周辺に設置されていて、運転中に操作できるような位置にあります。

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