本格的な寒さが到来し、冬の風が吹きすさぶ季節になりました。そんな時期に気をつけたいのが、強風によってドアが隣の車にぶつかってしまう「ドアパンチ」です。

特に、春や冬などの季節の変わり目には強風が吹きやすいうえ、気温が下がる冬は空気の密度が大きくなり、風が重く感じることも。車を停めてドアを開けたとき、思った以上に風が強くて、ドアが持っていかれた経験がある人もいるでしょう。

ドアパンチはよく起きるトラブルです。どんなことに気をつければ、ドアパンチの被害を未然に防ぐことができるのでしょうか?

強風時は大人でもドアを支えるのが困難

JAFでは、風速20m/s、30m/s、40m/sの風を人工的に起こし、子ども・30代女性・40代男性が、それぞれドアを開けたまま支えることができるかどうかをテストしています。

子どもの場合、風速20m/sでドアを支えることができませんでした。大人2名は、風速20m/sではなんとかドアを支えられたものの、男性は風速30m/s、女性は風速40m/sで支えることができなくなりました。

同時に、それぞれの風速でドアが隣の車にぶつかった際、車にどれほどのダメージを与えるかという実験もされています。

風速20m/sの場合は少しへこむ程度でしたが、30m/s、40m/sになるにつれて、へこみ具合が大きくなり、30m/sからは塗装が削られるほどの傷も伴います。車へのダメージは、車種や直撃箇所によっても変わってきますが、板金修理が必要となる可能性が非常に高いです。

実験結果から分かることは、強風時は大人であっても開けたドアを支えることは難しいということです。

夏などに発生する台風でも、暴風域では30m/s近い風が吹くこともあり、ドアパンチによる車へのダメージは非常に大きくなりますので、慎重にドアを開けることを心がけましょう。

また、子どもは風速20m/sでもドアを支えられなくなったことから、子どもが同乗しているケースでは、より注意が必要です。ドアが風にあおられ、車から転落する可能性もありますので、大人が先に降り、外からドアを開けるなどの工夫が必要となります。

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ドアパンチ被害の対処法

©︎pandaclub23/stock.adobe.com

強風時にドアが勢いよく開いてしまい、ぶつかってしまった際は、どのように対処すればよいのでしょうか。

駐車場で起こりやすい事故とはいわれていますが、実際には加害者の特定が難しいため、被害を受けた側は「泣き寝入り」になることも多いようです。

そうならないためにも、自分が加害者・被害者になった場合の対処法について確認しておきましょう。

自分が加害者となってしまった場合

傷の大きさに関係なく、車の所有者に謝罪し、相手の車のナンバー、名前、住所、連絡先を聞いたら警察へ連絡して対応してもらいましょう。そして、自分が加入している保険会社へ一報を入れます。

車へのダメージがそこまで大きくない場合、当事者間の話し合いで解決しようとするケースもありますが、修理金額を水増しされたりなどのトラブルになることもあります。

示談で済ませる場合でも、保険会社を通したほうが確実といえるでしょう。

自分が被害を受けた場合

誰にドアパンチされたか分からない状況であっても、まずは警察へ連絡しましょう。

「交通事故証明書」を作成しておけば、後々加害者が出頭したときに連絡がきます。加害者が名乗り出た後の処理をスムーズに行うためにも、警察への連絡は忘れないようにしてください。

また、保険会社への連絡も忘れずに行いましょう。契約の内容によっては、相手が不明でも修理代が支払われることもあります。

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