■さらなる味の調整を経て

ポカリスエットの開発はさらに進み、ついに糖質濃度の薄いタイプと濃いタイプの2択になる。しかし、多くの研究員が濃いタイプを推す中、技術部長だけは薄いタイプをなぜか望んでいた。

技術部長が薄いタイプを推奨したのは、「汗をかいたときは糖質量が少ないほうがおいしい」という理由からだった。その後、研究員たちは実際に汗をかいた後に試飲し、薄いタイプのおいしさを確信する。

しかし、試作品を初めて飲んだ社員は薄味を猛反対。それでも社長は自身の味覚を信じ、薄いタイプの飲料を思い切って発売した。それが現在のポカリスエットであり、世界中から高い評価を得ている。

発売してすぐ爆発的に売れたかというと実はそうではなく、さまざまなマーケティング施策を行い、やっとの思いでポカリスエットを大ヒットさせた。我々が日頃から飲んでいるポカリスエットは、まさに情熱と努力が結実した商品なのである。

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■ポカリスエットという商品

今では当たり前のように飲んでいるポカリスエットは、長い歴史を経て誕生した商品である。爆発的な大ヒットから順調に販売本数を伸ばす中、ポカリスエットは環境負荷の低い商品を考慮し、さまざまな容器を用いた商品を開発した。

245ml缶のポカリスエットから始まり、570mlのボトルタイプ、340mlの缶、1.5Lのペットボトルというように、少しずつ容器や内容量を変えている。また、最近ではスティックタイプのものから、ゼリータイプのポカリスエットまで販売されている。

さらに、今では通常のポカリスエットのほかにも、汗をかいていない日常シーンでも効果的な「ポカリスエット イオンウォーター」も大ヒットを記録している。

このように、ポカリスエットという商品は少しずつ愛される飲料へと進化を遂げているのである。