日産 スカイラインとGT-Rにとって、S54スカイラインGTとポルシェ904が激闘を繰り広げて伝説となった、1964年の第2回日本グランプリ以来となる「ポルシェとの因縁」は有名ですが、もうひとつ深い深い因縁を持つのがマツダです。

1969年にデビュー以来最強を誇った初代スカイラインGT-Rを、執念で実用化した「未来のエンジン」、ロータリーで破ってみせる!と意気込んだマツダは刺客のごとく次々と新型車を送り込み、ついにGT-Rへ黒星を叩きつけます。

その後GT-Rとマツダロータリーにはモータースポーツで直接対決の機会がないものの、今や昔の戦友のように…とは、なかなかいかないようです。

ファミリアロータリークーペ(2代目ファミリア)

初代スカイラインGT-R初期型、4ドア版PGC10のデビュー前年、コスモスポーツに次ぐマツダ2番目のロータリー車として発売。

デビュー戦でトヨタ1600GTに勝利して以降、国産最強ツーリングカーとなったGT-Rを打倒する刺客として名乗りを上げ、当時としては高性能な10Aロータリーのパワーで直線は猛烈に食いつきます。

しかし、あまりに小型軽量すぎたのが災いしたか、トレッド不足のためコーナリングは苦手な直線番長で、GT-Rがショートホイールベースで運動性能も高い2ドアハードトップ版KPGC10へ進化すると全くかなわず、打倒GT-Rは次の刺客へと持ち越されました。

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カペラロータリークーペ(初代カペラ)

1970年にはファミリアより大型のカペラが登場。10Aより大きくパワフルな12Aロータリーを武器に、直線だけでなくコーナリングでも追い詰め、1971年8月の富士500kmレースでついに総合優勝するなど、打倒GT-Rを果たしました。

ただしファミリアより大きく重く、前面投影面積拡大で空気抵抗も増えたボディは、12Aをもってしても安定した速さを発揮するにはパワー不足の感があり、日産もワークス体制で挑んでくるメジャーレースでGT-Rを打ち崩すには、もうひと押し。

なお、3代目以降は滑らかなヨーロピアンスタイルになったカペラですが、ロータリークーペがあった2代目までは猛々しい精悍なアメリカンスタイルでした。