自然の中で飲むビールはなぜこんなにも美味しいのだろう。

びりびりっと舌を心地よく刺激していく炭酸に、ぐうっと口の中を押し広げるように流れていく麦のあまみやホップの苦み。

柔らかに照り付ける日差しによるものなのか、澄んだ空気のおかげなのかわからないのだけれど、そりゃあもうびっくりするほどに1杯のビールが美味しくて、その色鮮やかさに毎回胸を打たれる。

自然はビールを美味しくする最高のスパイスだ。

では自然の恵みをたっぷりと使ったクラフトビールを、自然の中で飲んだらどんなふうに感じるのだろう?

自然によって五感が研ぎ澄まされた中、素材のパワー感じるビールを飲んだのならば、もっとすごいことになるのでは……!?

あるときふと思った、このアイデア。一度思いつくと居てもたってもいられず、わたしは沖縄県沖縄市にあるブルワリー「クリフビール」へと向かった。

沖縄の素材を使用し、飲んで沖縄を感じるビール

クリフビールを一言で表現するのであれば、「飲んで沖縄を感じるビール」を醸造しているブルワリーだ。ビールを造るのは、現代アート作家でもあり、ブルワーでもある宮城クリフさん。

地元の農家さんなどと一緒に、沖縄県産のサトウキビや島トウガラシ、沖縄のシナモンであるカラキなどを使用した「沖縄系ビール」を次々と生み出している。

クリフビールに詰められているのは、沖縄の自然のパワーそのものだ。

クリフさんは絵具の代わりに沖縄の原材料を使い、ビールという手法で生産者の想いと沖縄という地が持つストーリーを一枚の絵のように表現する。

沖縄という自然豊かな場所ならではの“地の恵み”がたっぷり入ったビール。クリフビールは飲むことで沖縄をしっかりと身体に取り込むことができるビールだ。

今回はそんなクリフビールの中でも、キャンプシーンでオススメの3本をご紹介したいと思う。

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木漏れ日の下での乾杯に「ムイヌグスージ(森のお祝い)」

まず乾杯にオススメなのは「ムイヌグスージ」というセゾンビールだ。ムイヌグスージとは沖縄の言葉で「森のお祝い」という意味。

このビールは月桃、リンゴアザミ、明日葉、桑の葉、長命草、センダングサという6種の野草を使っており、その名の通り力強く、華やかな味わいの1本だ。

野草は乾燥させ、粉末状にしたものをそのままビールへと溶かし込んでいる。野草と聞くと「苦み」をイメージするかと思うのだが、その味わいはフルーティであまやか。

麦のふくよかな甘さと、リンゴアザミ由来のリンゴのような甘さが幾重にも重なり、奥深い味わいとなっている。

柔らかな日差しの下。乾杯で飲んだこのビールの味わいに、わたしの身体はぶるりと震えた。細胞が動き出すような、身体の中から何かが沸き上がってくるような……。そんな野草たちの持つエネルギーがたっぷりと溶け込んだこのビールは、キャンプのはじまりにぴったりだ。