パイプフレームへ市販車風のボディをかぶせてもOK、ターボエンジンはマフラーから火を吹くなどカリカリチューン、あまりのカッコよさと速さに1970年代末から1980年代はじめにかけてのレース界を大いに盛り上がらせた「シルエットフォーミュラ」。
日本ではスーパーシルエットとも呼ばれたこのレース、往年の車好きならミニカーで、若い車好きならゲームへの登場で慣れ親しんだ人も多いと思いますが、中でももっとも多数の車種が参戦していたのが日産です。
そんな日産シルエットフォーミュラの中から、注目すべき3台を紹介します。
PA10バイオレット

1979年に富士GC(グランチャンピオンレース)のサポートレースとして始まった、「富士スーパーシルエット」初期の参戦車両。日本では地味な小型セダンだったとはいえ、国際的にはWRCでブルーバードやフェアレディZ後継として大活躍したスーパーラリーマシンでした。
ラリー同様にL型4気筒2リッターをDOHC16バルブ化したレーシングエンジンLZ20Bを搭載、さらにターボ化して570馬力ものハイパワーを叩き出します。
日本ではスポーツイメージが薄いような車でもシルエットフォーミュラ化すれば化ける!という構図はその後日産が得意として、910ブルバードやラングレー、マーチのシルエットフォーミュラマシンも存在します。
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S110シルビア

日産シルエットフォーミュラ軍団を代表する車の1台で、星野一義率いるインパルなどが参戦。
中身はヴァイオレット同様にLZ20B搭載で、長いノーズにド派手なフロントスポイラーは空力のためでしたが、当時は現在と違い緻密なコンピューター解析で作られておらず、前後の重量や空力のバランスが悪いため直線では最速を誇るも、全く曲がらなかったと言われています。
シルビアはこのS110(3代目と、兄弟車の初代ガゼール)のほかにS12(4代目)が参戦、後継レースともいえるJSS(ジャパン・スーパー・セダン)レースにもS12シルビアの姿がありました。