もともと海外では3ケタ数字か、ロータリーエンジン車はRX+数字という車名が多いものの、日本国内ではしっかり名前をつけていたマツダ。

しかし最近はCXシリーズSUVを皮切りに、アクセラはMAZDA3、アテンザはMAZDA6など国内でも海外名に統一され、少々味気なさを感じるユーザーは多いかもしれません。

マツダが過去に名付けた車名にはカッコイイものが多いだけになおさら。厳選した3つの車名をご紹介します。

【ルーチェ】はじめに光ありき

ルーチェ ロータリークーペ

軽自動車のR360クーペや初代キャロル、小型車のファミリアから始まったマツダの乗用車・ルーチェ。商用車や大衆車ばかりでは華がないというもので、オート三輪で戦前から鳴らした老舗にふさわしく、華々しいフラッグシップモデルとして1966年に誕生しました。

初代は普通のFR車のほか、13Aロータリー搭載で前輪駆動の超ラグジュアリーな「ルーチェロータリークーペ」もラインナップ。

イタリア語で「光」や「輝き」を意味する車名のごとく、その時代において高級セダンといってもトヨタや日産とは異なる、光り輝く華のあるデザインと、最終モデルまでロータリーエンジン搭載車の設定を特徴としていました。

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【クロノス】確かにマツダの「時」を象徴した

クロノス

「カペラ(ぎょしゃ座のα星)」や「サバンナ(大草原)」、トラックでも「タイタン(ギリシャ神話の巨人)」といった、カッコイイ車名を連発していたマツダがバブル時代。ついに「飛躍の時」が来たとばかりに発売したカペラの後継車が、ギリシャ語で「時」を表す車名の「クロノス」でした。

これをベースに「栄光の時」を刻むべく多数のモデルを開発、マツダ、アンフィニ、ユーノス、オートラマ、オートザムの5チャンネル販売体制へと送り込みますが、慣れない多車種並行生産による品質問題と、バブル崩壊で逆に「破滅の時」へ。

名前はかっこよかったものの、今はどんな車だったかより、マツダ5チャンネル体制崩壊の象徴たる「クロノスの悲劇」で知られています。