イタズラされたときの対応手順

1.見つけたらすぐに警察に連絡

10円キズをつけられた、落書きされたなど、車のイタズラ被害を受けたときは、真っ先に警察に通報し、被害届を出しましょう。

一般的に、車に対するイタズラ行為は証拠不十分で捜査は難しいようですが、犯人が見つかれば、損害賠償義務を追求することができ修理費用を請求することができます。

2.任意保険会社にも連絡を忘れずに

警察に連絡した後は、任意保険会社にも連絡しましょう。警察に被害届を出したかどうかが重要になるケースもありますので、必ずセットで行います。

被害の状況を保存しておきたい場合は、スマホカメラで撮影しておくのが簡単です。警察・保険会社ともに被害証拠が必要な場合がありますので、写真やドライブレコーダー映像などを提出できるようにしておくと安心です。

任意保険を使うと翌年の保険料が上がるかも……

ガラスを割られたなども酷い被害を受けた場合は任意保険を使って車を直すのがおすすめですが、被害状況によっては保険を使わずに自費(自腹)で直したほうがお得なケースがあります。

任意保険は使用すると翌年の保険料が上がる仕組みになっています。したがって、任意保険に被害状況を伝える際、「今回のイタズラで保険を使った場合、翌年の保険料がいくら上がるか」も一緒に質問しましょう。

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3.修理見積もりを出してもらう

車を修理してもらうディーラーや整備工場が決まったら、修理の見積もりを出してもらいます。

このとき、2で確認した翌年の保険料の増額分が修理見積もりよりも大きい場合、任意保険を使って車を直すとお得感がなくなってしまいます。

軽微な修理であれば、保険を使わずに自費で修理するのがおすすめです。

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イタズラは保険適応が難しい?

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車上荒らしや車両盗難などの酷い犯罪被害や、ドアパンチなど明らかに相手の過失による破損ではなく、ボディへの傷付けや落書きといったイタズラは、自動車保険会社が厳しく調査する傾向にあります。

なぜなら、10円傷やら落書きといった故意によるイタズラは、言ってしまえば自作自演が可能な案件だからです。そのため「ユーザーが自分で付けた傷ではないか?」「ウソを付いて保険料を受け取る気ではないか?」などを調査する必要があるのです。

それゆえ、イタズラ被害の認定を得られずに保険料の支払いを拒否されるケースも少なくないようです。

保険会社の対応や方針によるため有効な解決法はありませんが、以下2つを提案します。

イタズラの種類によっては保険を使ったほうが損かも

前述の通り、自動車保険は使用すると翌年の保険料が上がる仕組みになっています。

したがって、厳しい調査を経て保険料がもらえても、翌年からアップする保険料のせいで、トータルで損をする可能性もあるのです。

イタズラ被害の大きさにもよりますが、修理見積もりと来年の保険料の比較結果によっては、保険の適応にこだわらなくてもよいでしょう。

地域で複数の被害がある場合は調査してくれるかも

ユーザーによる自作自演が疑われがちなイタズラが、犯人の手によるものと断定する根拠になりうるのは、同様の被害が近隣でも多発したときです。

軽微なイタズラであっても、警察への届け出が複数寄せられれば、警察や保険会社が「同一犯による器物損壊」として調査・認定をしてくれる可能性が高くなるかもしれません。

そのため、どんなに軽微なイタズラ被害であっても警察に届け出ることは重要といえます。

損害金額はいくら支払われる?

イタズラに対して支払われる損害金額は、被害の程度によって異なります。ドア1枚の傷と、車をぐるっと1周するような傷では、修理金額が異なるためです。

ただし、車両保険に免責金額を設定している場合は、修理代全額に対しすべて支払われないことがあります。例えば、免責金額を5万円に設定しているとき、修理代が7万円でも支払われる保険金は2万円となります。

また、イタズラの犯人が捕まった場合は、修理代として自分が負担した金額を請求できます。

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