2012年に独自生産から撤退以降はダイハツ車のOEMとなっているスバルの軽自動車。そもそもは初めて現実的な価格と性能を持つ国民車的な軽自動車を初めて実現し、その後も様々な制約に苦労しつつ、独特のクルマづくりを貫いていました。

それゆえ現在でもスバルオリジナル軽自動車には多くのファンが。歴史的意義の大きい3台を厳選して紹介します。

スバル360(1958年)

スバル360ヤングSS(1968年)

スバルの軽自動車なら、国産車史で欠かせないこの名車中の名車は外せません。

ボディ剛性と4人乗れる車内空間を確保した軽量なモノコックボディやFRPルーフ、トーションバー・スプリング、後にサンバーへ引き継がれたエンジンスペース極限を極限するRRレイアウト(リアエンジン・リアドライブ)などを採用。

グロス16馬力の360cc2気筒エンジンと四輪独立懸架サスペンションでの走りは、当時の国産車として十分な性能を発揮。後にライバルの台頭で旧式化が著しくなるも、36馬力の高性能版ヤングSSを追加するなど、1970年まで生産されました。

水平対向エンジンや4WDとともに、スバルの象徴とされる記念碑的な車です。

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3代目レックス(1986年)

3代目レックスコンビ スーパーチャージャーVX(1988年)

長く続いたRR車の時代を経て、2代目レックス(1981年)で近代的FF車へ脱皮したスバル軽自動車。1986年に登場した3代目レックスでは待望のトルコン式ATが初採用されたほか、最終的にスバル軽の特徴となるメカニズムが段階的に追加されていきました。

無段変速のECVTインタークーラーつきスーパーチャージャー、そして550cc時代末期に登場した直列4気筒エンジンは現在の軽自動車用では常識のロングストローク高効率型。これはスバル独自の軽自動車が2010年代まで通用する礎となりました。

ヴィヴィオへの代替わり後も、ドリフトで有名な「レックス友の会」など、走りに惚れ込んで使い続けるユーザーが多い車でした。