現在、日本国内の道路で定められている速度制限の最高速度は時速120キロです。しかし、多くの車はスピードメーターが180キロや200キロなど、時速120キロ以上まで表示されていますね。日本の道路の速度制限は最高でも時速120キロなのに、なぜスピードメーターはそれ以上の数字が表示されているのでしょうか?

高速道路で定められている最高速度

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日本国内に建設されている高速道路の制限速度は最高で時速120キロです。しかし、速度制限120キロの高速道路自体はまだまだ日本国内には多くありません。

高速道路の制限速度は、国内初の高速道路である名神高速道路の1部区間が開通して以来、半世紀以上変わることなく100キロと定められてきました。

しかし、2019年3月に新東名高速道路と東北自動車道の一部区間において、試験的に120キロまで制限速度の引き上げがおこなわれました。

その後、同年の12月より新東名高速道路の御殿場JCTから浜松いなさJCT、全長おおよそ145キロの区間で、正式に速度制限120キロが適用されることになりました。

高速道路の制限速度は何キロ?車種による違いや120キロへの引き上げについても

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国産車でよく見られるスピードメーター

ところが、高速道路に設けられた速度制限は最高で120キロまでなのに対し、一般的に国産乗用車のスピードメーターは180キロまで表示されていることが多いようです。

このように高速道路の速度制限は最高120キロであるにも関わらず、国産車のスピードメーターが180キロまで表示されているのはなぜなのでしょうか。

かつては、スピードメーターが200キロまである国産車は珍しくありませんでした。

しかし、高度経済成長時代を経てマイカーが普及し、車の性能も向上。高速道路ユーザーも増えたことで、交通事故も増加してしまいます。そのため、「誰でも出そうと思えば200キロまでスピードを出せる」というのは危険とされるようになったのです。

そこで各自動車メーカーが自主規制により、スピードメーターの上限を180キロに設定。「この車は高性能だから200キロまで出せる」というユーザーイメージを払拭し、交通事故やスピード違反の件数を減らすための紳士協定を結びました。

しかしこの時点で「高速道路の制限速度は100キロなのだから、スピードメーターも100キロまででよいのでは?」という疑問が生まれます。