MT車とは?

MT車とは、「Manual Transmission(マニュアル・トランスミッション)」を採用している車のこと。頭文字「MT」を撮っています。
MT車では、ドライバー自らがシフトレバーを介してトランスミッションを操作し、走行場面に合わせたギア(歯車)を選択します。
市販車の多くのMT車のマニュアル・トランスミッションはHパターンと呼ばれています。シフトレバーの動く軌跡を辿るとアルファベットのHのような形になるからです。
定番は「Hパターンの5速MT」
今昔でMT車のシフトパターンを振り返ると、Hパターンの5速MTが定番です。
現代ではそもそもMT車が少なくなっていて、MT車はスポーツモデルや各種トラックのような商用車に限られています。トヨタ 86 / スバル BRZやスズキ スイフトスポーツはMTモデルは6速仕様となっていたりと、5MT以上に6MTが存在感を放っています。
その他、Hパターン以外にシーケンシャルタイプというのもあります。シフトを前後するタイプのマニュアル・トランスミッションです。市販車ではAT車やCVT車のマニュアルモードとしての採用が数多くあります。
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MT車とAT車の操作はどう違う?
実際の運転におけるMT車とAT車の違いに言及すると、求められるシフト操作及びペダル操作が異なります。
変速が自動で行われるため少ない操作で運転できるのがAT車、発進・加速・減速・停車など走行シーンに合わせてシフト操作が求められるのがMT車です。
より操作が簡単なAT車のシフト操作を紹介した上で、MT車のシフト操作を見てみましょう。
AT車のシフト操作

レンジと呼ばれるシフトレバーの位置がいくつか用意されています。基本的なAT車のシフトレンジの名称は上から、パーキング(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)、セカンド(2)、ロー(L)、となっています。
パーキングレンジは駐車する時に使用されもので、リバースレンジは後退するための専用レンジです。
通常の走行ではドライブレンジを選択します。セカンドレンジはエンジンブレーキを使って減速をしたい時に使用しますが、ローレンジはそれ以上に強いエンジンブレーキが発生するため、使う機会はそれほどないとみて良いでしょう。
ニュートラルレンジを使うことは人によってわかれますが、パーキングエリアでの料金支払いやドライブスルーでの商品受け取り時にニュートラルレンジにレバーを入れることで、急に車が動き出す心配はなくなります。
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MT車のシフト操作
上記のようにAT車では変速が自動的に行われますが、MT車ではこれをドライバーによる手動で行います。ここでは一般的なHパターンのマニュアル・トランスミッションの操作方法を解説します。
シフトアップ時の操作
基本的に停車状態からの発進では1速ギアを使用します。クラッチペダルを踏んでシフトレバーを1速へ入れ、アクセルペダルを踏んでエンジン回転数を1,500〜3,000rpmにしたところでクラッチを少しつなぐ。
さらに少し回転数が下がってまた上がり始めたら、クラッチを完全につなぐ(クラッチペダルから足を離す)ことで発進完了です。
1速でも走り続けることはできますが、ギア比を考慮するとせいぜい時速20~60kmの速度しかせず、なおかつエンジン回転数が高くなってうるさく、日常使いでは非現実的です。
そこで2速ギア(1速ギアもギア比の低いギア)へシフトアップします。あとは同じような理由で3速・4速・5速とシフトアップする流れです。
シフトダウン時の操作
減速して速度が下がってきた時や上り坂でいまいち加速しない時などに、シフトダウンでギア比の低いギアを選択することで加速することができます。
クラッチペダルを踏んでからシフトレバーを動かして1つ下のギアにするのが基本です。
シフトダウンによって低いギアが使われると、同時により強いエンジンブレーキが掛かります。この時、エンジン回転数は上昇することとなります。
例えば4速ギアと5速ギアそれぞれで時速60kmで走っている時のエンジン回転数は、4速ギアのほうが高くなります。この回転数の差がありすぎるとオーバーレブが発生し、場合によってはエンジンが壊れます(いわゆるエンジンブローというもの)。