2ブースターケーブルで救援車と繋いでもらう
ブースターケーブルとは?
ブースターケーブルとはクリップがついた太い電気ケーブルのことです。正常にエンジンがかかる車(救援車)と、バッテリー上がりを起こした車を繋ぐために使用します。
一般家庭に必ず用意されているようなカー用品ではありませんが、ホームセンターやカー用品店で購入できます。
救援は必ず「ハイブリッドカー、PHEV、EV以外」に要請しよう
注意したいのが救援車の条件。まず、バッテリー上がりの救援は必ず「ハイブリッドカー、PHEV、EV以外」に要請しましょう。
これらの車は「救援される」ことはできますが、他の車を救援することはできません。
なぜならジャンピングスタートによって大電流が流れ、救援側のハイブリッドカーの電源系統やハイブリッドユニットが故障する可能性があるためです。
ジャンピングスタートでの救援が可能かどうかは、各車の取り扱い説明書を確認しましょう。
必ず同じ電圧の車同士で救援を
また、同じ電圧の車同士でなければジャンプスタートをすることができません。
例えば、12Vの乗用車と24Vのトラックとではできません。さらにいえば、救援車は不動車よりも大きな容量のバッテリーをもつ車が望ましいです。
使用するブースターケーブルも、許容電流を確認し劣化がないかも確認しましょう。クリップ部のガタや絶縁皮膜が劣化している場合は漏電・出火するおそれもあります。
ブースターケーブルでの救援方法
1.不動車・救援車の状態を確認
不動車・救援車ともにシフトポジションが「P(MTは「N」)」に入っていること、パーキングブレーキがしっかりとかかっていること、不要な電装品が動作していないことを確認します。
2.赤いケーブルからつなぐ
不動車のバッテリーに付いている赤いカバーを外し、赤いケーブルのクリップをバッテリーの+端子(赤いカバーを外したほう)につなぎます。
同じように救援車のバッテリーに付いている赤いカバーを外し、いまつないだケーブルの反対側を救援車のバッテリーの+端子につなぎます。エンジン始動時の振動で外れないようにしっかりと挟み込みます。
このとき、端子に接続したブースターケーブルの反対側のクリップを、車の金属部分に触れさせないように気をつけましょう。触れると激しくスパークして危険です。
3.黒いケーブルをつなぐ
黒いケーブルのクリップを、救援車のバッテリーの-端子(カバーがついていないほう)につなぎ、反対側を不動車のバッテリーの-端子につなぎます。
このとき火花が飛ぶことがありますが、異常ではありませんので怖がらずつなぎましょう。
4.先に救援車のエンジンをかけ、1分ほどしてから不動車もかける
ブースターケーブルが接続できたら救援車のエンジンをかけます。救援車のエンジン回転数を3000rpm前後まで上げつつ、1分ほどしてから不動車のエンジンをかけます。
5.黒いケーブルから外す
エンジンをかけたまま、不動車につないである黒いケーブルから外していきます。順番は以下の通り。
- 不動車:黒いケーブル
- 救援車:黒いケーブル
- 救援車:赤いケーブル
- 不動車:赤いケーブル
ケーブルをつける順番、外す順番は必ず守りましょう。ショートして車に大きな負担をかけることになります。
6.エンジンを止めずに30分~1時間ほど走る
ジャンプスタートでエンジンを始動させた車は、エンジンを止めずに30分~1時間ほど走ってバッテリーを充電しましょう。
ブースターケーブルでのバッテリー上がり救援方法|ハイブリッド車では救援NG!
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3JAFやロードサービスを利用する
バッテリー上がりの対処法・応急処置「ジャンピング」のための道具や救援車がない場合は、JAFや任意保険のロードサービスを呼んでジャンピングスタートしてもらうことができます。
自動車保険のロードサービスを利用する
任意自動車保険にはロードサービスが付帯している場合があります。
ロードサービスには大抵無料のバッテリーレスキューが含まれていますので、困ったときは保険会社のロードサービスへ電話しましょう。加盟する最寄りの整備工場が救援に駆けつけてくれます。
ロードサービスを利用しても保険等級は下がりません。加入している自動車保険ロードサービスの電話番号は、すぐに確認できるようにしておきましょう。
JAFのロードサービスを利用する
JAF(日本自動車連盟)の故障車救援サービスも、バッテリー上がりの場合に呼ぶことができます。JAFは入会金+年会費による会員制ですが、非会員の場合もロードサービスを呼ぶことができます。
JAF会員の場合は年中無料でロードサービスを受けることができます(ただし、物品代や15km以上のレッカーは有料)。非会員の場合、その場での入会も可能ですが当該のロードサービス料金は会員扱いとはならず、料金が発生します。
なお、その場で対処できない場合はレッカー移動で最寄りの整備工場まで運んでくれますが、会員は15km以上から、非会員の場合は全額のレッカー料金が発生します。
JAF ロードサービス救援コール
ナビダイヤル:0570-00-8139 |
短縮ダイヤル:#8139 |
※全国共通・年中無休・24時間、通話料は有料
電話のほか、アプリでも呼ぶことができます。詳しくはこちら
JAF バッテリー上がり料金
13,130円税込み(昼間) |
15,230円税込み(夜間) |
JAF 故障車けん引料金
13,130円税込み(昼間) |
15,230円税込み(夜間) |
上記に加えて、1kmあたり+720円(※会員は15km以上から) |
ロードサービスとは?各社の特徴から料金や口コミで比較検証【2020年最新情報】
4バッテリーを交換する【手順・方法】
3年以上バッテリーを交換していない車は要注意!
バッテリーの寿命はおおよそ2~3年といわれています。
車検ごとに交換をおすすめされるのが一般的ですが、前回車検時にバッテリー交換をしていない場合は、バッテリー自体が弱まって、バッテリーが上がりやすくなっている可能性があります。
劣化したバッテリーは、ジャンプスタートやブースターケーブルでエンジンをかけても、次に始動させるときにまた上がってしまうことも。
その場合はバッテリーを新品に交換しましょう。
バッテリー交換の手順・方法
1.ステーを外す
車のエンジンを切り、点いている室内灯を消します。ボンネットを開け、バッテリーを固定しているステーを外してください。
ステーは六角ナットで固定されている場合が多いため、ナットのサイズにあったレンチ/ソケットレンチが必要です。
2.メモリーバックアップを接続する
バッテリー端子からケーブルを外す前に、メモリーバックアップを取り付けます。
まずはバッテリーの+端子(カバーが付いているほう)の電源ケーブル側の金属部分(バッテリーターミナル)に、メモリーバックアップのクリップを挟みます。
次に-端子(カバーがないほう)のバッテリーターミナルも挟みます。
3.バッテリーのマイナス端子から外す
バッテリーの-端子(カバーがないほう)から外します。レンチを端子に触れさせないように注意して、ナットを回します。
必ずゴム手袋をはめて、ある程度までレンチを回したら手で回します。ナットは完全に外さず、ある程度まで緩んだら上方向に外してください。
同じようにバッテリーの+端子も外します。このとき、必ずメモリーバックアップのクリップには触らず、付けたままにします。
4.バッテリーを取り出し、新品のバッテリーを入れる
バッテリーの左右に手を入れて、古いバッテリーを取り出します。同じ場所に新品のバッテリーを入れます。
5.プラス端子から取り付ける
取り付けは+端子(カバーのほう)から行います。元通りにはめたら、ナットを締めます。
バッテリー本体の固定はこれからステーで行いますので、ナット自体を固く締める必要はありません。
同じようにバッテリーの-端子も取り付けます。
6.メモリーバックアップを取り外し、ステーを取り付ける
端子を取り付けたら、メモリーバックアップのクリップを外します。+端子のカバーも付けてしまってOKです。
最初に外したステーを取り付けます。
アイドリングストップ車は必ず専用バッテリーを選ぼう
アイドリングストップ車のバッテリーは、必ず「アイドリングストップ車専用バッテリー」という表記がある製品を選びましょう。
ハイブリッド車はもちろん、アイドリングストップ機能のあるガソリン車も、注意が必要です。
アイドリングストップ車用バッテリー人気ランキングTOP10|バッテリー規格&選び方と長持ちのコツ
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バッテリーを点検する方法・ポイント
バッテリーランプが点いていないか確認する
バッテリーの形の警告灯が点灯しているときは、バッテリー本体ではなくオルタネーター(発電機)やそのベルトに異常が考えられます。
この場合はバッテリー交換では解決できませんので、すぐにディーラーや修理工場に連絡してください。
バッテリーの電圧をバッテリーチェッカーで測定する
バッテリーの充電状態や残量を測定できる「バッテリーチェッカー」というカー用品も販売されています。
バッテリーに繋いでおいて残量をリアルタイムで測定してくれるもの、必要なタイミング測定できるものなど、タイプはさまざま。不安な場合は使用を検討してみましょう。
バッテリー液の量やバッテリー本体を確認する
カーバッテリーは、二つの電極(二酸化鉛と鉛)と硫酸で出来ており、この硫酸をバッテリー液といいます。バッテリー液の比重チェックや補充は、バッテリー交換よりも上級者向けのメンテナンスです。
バッテリーの側面にはラインがあり、バッテリー液がこの範囲内に入っていればOKです。
バッテリー液が減っているようであれば、バッテリー液の補充やバッテリー交換を行いましょう。
また、「バッテリー本体が膨らんでいる」「バッテリーの端子付近が粉っぽい」「バッテリーの天板からバッテリー液が漏れている」など、本体に異常がある場合も、バッテリー交換が必要です。
整備点検記録簿でバッテリーをいつ交換したかも確認しよう
車検や定期点検の際には、バッテリー診断も行うのが一般的です。バッテリーの寿命は2年~3年のため、車検のタイミングで交換することが多いでしょう。
バッテリーをいつ交換したかは、整備点検記録簿で確認できます。
自分でできるバッテリーの交換方法と寿命・交換時期の見きわめ方|サイズや規格はどこでわかる?
ハイブリッドカーもバッテリー上がりする?
ハイブリッドカーには、補機用バッテリーのほか「モーター用バッテリー」が搭載されます。
これらのはたらきは異なるため、ガソリン車同様、補機用バッテリーが上がってしまえばハイブリッドカーのエンジンもかかりません。
モーター用バッテリーがあっても、ハイブリッドカーの補機用バッテリーは上がってしまいます。
ハイブリッドカーの補機用バッテリーが上がってしまった場合は、ジャンプスターターやブースターケーブルなど、ガソリン車と同じ対処法でエンジンをかけることができます。
しかし、モーター用バッテリーに不具合が生じた場合は、自身で対応することはできませんのでディーラーや整備工場に連絡をしてください。
「HVはバッテリー上がらない」は嘘!ハイブリッド車に乗るなら知っておきたい知識
バッテリー上がりは放置しても自然に回復する?
上がってしまったバッテリーは放置しても自然回復はしません。エンジンを始動させるか、バッテリー充電器を繋いで、バッテリーに電気を貯めなければ車を使うことができません。
バッテリーが上がった車を放置すると、室内灯やヘッドライト、スマートキーなどが使えなくなってしまいます。
スマートキーが反応しなくなった場合は、メカニカルキーを使ってドアを開けましょう。
スマートキーとは?電池切れしたらどうする?電池交換や後付け費用を解説
バッテリー上がりを防ぐための対策4選
半ドアや室内灯の消し忘れに注意する
エンジン止めたときに、ライト類を消し忘れないようにしましょう。とはいえ、最近の車はヘッドライトが自動で消える機能や、スマートキーの普及で半ドア状態にも気づきやすくなっています。
最も気づきにくいのは半ドアによる室内灯の点けっぱなしです。いつもはドア開閉連動設定にしているのに、一時的につけっぱなしにした場合なども注意しましょう。
「ACC」や「ON」状態で長時間過ごさない
エンジンを止めたまま「ACC」や「ON」の状態で、エアコンやカーラジオをかけ、長時間過ごすのは止めましょう。
電装品を使わないのであれば、エンジンを止めたときに電源ポジションが「OFF」になっているか確認しましょう。
長期間乗らない車はバッテリーターミナルを抜いておく
3ヶ月以上、車に乗らないことが事前にわかっているのであれば、バッテリー端子からバッテリーターミナルを抜いておきましょう。バッテリー交換の手順「3.バッテリーのマイナス端子から外す」の部分を行えばOKです。
また、3ヶ月以上エンジンをかけなかった車を使用するときは、バッテリーが上がっているものと思って、ブースターケーブルやジャンプスターターを用意しておくと安心です。
冬期はマメに車の周りを除雪する
寒い地域ではバッテリーを冷やさないようにする工夫が必要です。外に駐車している場合はマメに車の除雪をしましょう。
もし、冬のレジャーに出かけた際にバッテリーが弱っているようであれば、60℃くらいのお湯をバッテリーにかけてみるのも手です。
バッテリー上がり復旧後も油断は禁物!必ず点検を
上がってしまったバッテリーは、問題なければ1時間ほど走れば元のように使うことができます。
しかしバッテリー自体が寿命である場合は、ライトやエアコンの点けっぱなしなどの”うっかり”がなくても、再びバッテリーが上がってしまう可能性があります。
そのため、バッテリー上がり復旧後はバッテリーの状態や電圧を点検してもらうのがおすすめです。
一般的なバッテリーの寿命は2~3年と言われています。寿命がきたバッテリーは交換する必要があります。バッテリー交換の際はバッテリーサイズや規格に注意しましょう。
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