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多国籍企業の税逃れ防止 GAFA抱え、米国は「デジタル課税」への一歩を踏み出せるのか!?

J-CAST会社ウォッチ

多国籍企業への国際課税の強化に向け、交渉が進展する見通しが出てきた。米バイデン政権が、トランプ前政権の方針を転換し、積極姿勢に転じたのだ。

国際課税というと、多国籍企業や富裕層の税逃れの防止を意味する。資金使途に着目して、途上国支援を目的にした「国際連帯税」を指す場合もあるが、ここでは多国籍業の中でも巨大IT企業への「デジタル課税」と、引き下げ競争が問題視される「最低税率」の2つをポイントに考える。

あるのは物流倉庫だけ… 巨大IT企業は所得が捕捉しにくい

企業に法人税を課す課税権は各国政府が持っているが、グローバル化の進展で国境を超えた経済活動が広がる中、どこで、どれだけ課税するかの線引きがわかりにくくなってきた。タックスヘイブン(租税回避地)を使った課税逃れも横行している。

特に、製造業なら工場があり、製品が運ばれるので、活動を把握しやすいが、世界をまたにかけて活動するGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)など、巨大IT企業は情報が瞬時に国境を超えるなかで、所得の捕捉もしにくい。

ネットモールでその国の人が買い物しても、その国内には物流倉庫くらいしかなく、課税が思うに任せないという例が挙げられる。このため、国際課税=デジタル課税として、主ターゲットをGAFAなどとする考えが一般的だ。

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もう一つ、GAFAなどの動きとも相まって、法人税率の引き下げ競争も大きな問題だ。自国に企業を誘致しようという狙いで、どんどん下がっていくことから、「底辺への競争」とも呼ばれ、低い法人税率でアップルなどを誘致してきたアイルランドなどが代表例とされる。

先進国でも、米国がトランプ政権時代に35%から21%に引き下げ、日本も実効税率を2014年度の34.62%から18年度に29.74%まで段階的に下げた。OECD(経済協力開発機構)加盟国平均の実効税率は、2000年の32.2%から20年には23.3%まで低下している。

低税率国に本社を置くとともに、保有する知的財産権もここに移し、知財の使用料名目で世界での稼ぎを集めて節税するなどの手法が知られる。

各国の財政収入に直結する大事とあって、法人税改革が必要ということについては世界的なコンセンサスがあり、2012年ごろからOECDを舞台に議論されてきた。日本など約140か国・地域が参加しているが、GAFAなど自国の多国籍企業の利益を優先する米国が抵抗。とりわけトランプ政権は欧州独自のデジタル課税の動きに対抗して報復を準備するなど、対立が先鋭化し、米国が事実上、交渉を離脱した形になり、2020年中を目指していた合意時期は先送りされていた。

米法人税引き上げ コロナ対策で財源確保に動く

転機になったのが米国のバイデン政権の発足だ。イエレン財務長官が2021年2月、協議に復帰し、国際的な法人税の最低税率を目指すと表明。4月7日の主要20か国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁オンライン会議で、共通の最低税率を導入するルールについて「2021年半ばまでに解決策に至るよう、引き続き取り組む」と明記した共同声明を採択した。

米国の方針転換の背景には、コロナ禍もある。巨額のコロナ対策に続き、バイデン大統領は3月31日に総額2兆ドル(約220兆円)規模の環境・インフラ投資計画を発表し、その財源として、法人税率を21%から28%に引き上げることを提案しており、税率引き下げ競争を止めることは、そのための絶対条件といえる。

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