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コロナ禍でひっそり成立 「賃貸管理適正化法」ってなんだ?(中山登志朗)

J-CAST会社ウォッチ

連載8回目は、賃貸管理のお話。これは賃貸業界には、かなり影響の大きいことですし、賃貸経営している大家さんも、これから賃貸物件を借りようと思っている人も、是非知っておいて欲しい内容です。

2020年12月15日、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」=賃貸管理適正化法が施行されました。世間的には新型コロナウイルスの新規感染が首都圏で急拡大していたので、さして大きな話題にもなりませんでした。ヒアリングしてみると、知らなかったという不動産会社の方もいらっしゃるので、改めてご説明します。

「賃貸管理適正化法」は賃貸トラブル解決の切り札になる!?

この法律は賃貸住宅管理200戸以上の管理業者、サブリース業者(および一緒になって住宅管理業務請負を勧誘する者)、建築会社、ハウスメーカーが対象で、(1)事業者の登録制度や(2)不当な勧誘行為(3)誇大広告の禁止などの規制が盛り込まれています。

サブリース業者とは賃貸物件を賃貸人(大家さんのことです)から借り上げて賃借人の募集など物件管理全般を請け負う業を営む者のことです。

当然のことながら、この法律が施行された背景には、賃貸経営を管理業者に事実上一任するサブリース方式の増加に伴って急増する管理業者と大家さんもしくは賃借人とのトラブルがあります。「かぼちゃの馬車」問題に続くスルガ銀行の融資問題、レオパレス問題などは、みなさんの記憶にも新しいことでしょう。

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現在でも、特に管理業者とオーナー間については、家賃保証などの契約条件に関する説明不足やその後の不誠実な態度・対応によってトラブルが多発しており、実際に数多くの訴訟が提起される事態となっていることを重くみた国が(ようやく)法律によって規制するに至ったという経緯です。

法律の対象となる取引は、オーナーと賃借人との賃貸借契約に基づいて管理業者が管理受託契約を結んだ「受託管理方式」と、勧誘者の勧めで賃貸物件を建設もしくは購入し、その運用をマスターリースおよび管理受託契約によって管理業者一任する「サブリース方式」です。なお、ウィークリー・マンションは旅館業法に該当する運営か否かでこの法律の対象になるかが線引きされます。

この法律に違反した場合には、罰則規定および行政処分も適用されますから、対象となる管理業者だけでなく、関連する不動産会社、建設業者、ハウスメーカーなどは本法律の熟知がマストです。また上記の登録制度については2021年6月をメドに開始される予定ですから、この登録についても準備を怠らないようにしたいものです。

賃貸物件を借りようと思っている人もこの法律の存在を覚えておけば、物件を管理する業者と万が一トラブルになった際に、「賃貸管理適正化法」に基づいて対応してくれているのかどうか確認するだけでも業者の対応が変わるはずです(と期待しています)。

「賃貸管理適正化法」のポイント

この法律が制定されたのは賃貸住宅を巡って、「かぼちゃの馬車」問題やその後のスルガ銀行による融資問題など、企業のコンプライアンスや法規に違反する行為が相次ぎ、その都度消費者であるオーナーも賃借人も多大な経済的損失や精神的被害を受けたことが社会問題となったためです。

前後してレオパレスの建築基準法違反問題や賃料減額取消訴訟などが発生し、これまでの法規制とは別に、さらに賃貸住宅を巡る管理についての規制を厳しくする必要がコンセンサスを得て、この法律の制定となりました。賃貸業に関連する業務を行う者は、この事実を重く受け止める必要があります。

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