ブレーキフルードが劣化するとどうなる?

ブレーキフルードには、水分を含みやすいという特性があります。

ブレーキの油圧系統は完全密閉ではありません。特にタンク内のブレーキフルードは空気に触れています。そのため、ブレーキフルードをそのままにしておくと、しだいに空気中の水分を含み、劣化していきます。

ブレーキフルードが劣化し、水分が多くなると、油圧管やブレーキキャリパーなどの金属腐食が進みやすくなります。

そのままブレーキフルードを長期間交換しないでおくと、腐食した金属部分などからブレーキフルードが漏れ、圧力が下がりブレーキが効かなくなってしまいます。

穴が開いたブレーキ管に空気が入ると、ブレーキペダルを踏んでもブレーキが効かない「ベーパーロック現象」という重大な事態となる恐れがあります。

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ブレーキフルードは車検ごとに交換するのがおすすめ

ブレーキフルードは乗っていない車でも劣化してしまうため、一般的に2~4年が寿命といわれています。しかし、命を守る部品であることを考えると、普段はこまめに車の点検を行わない人であれば、2年に1回の車検のタイミング、または走行距離20,000kmごとで交換するのがおすすめです。

交換時期でなくても、「ブレーキの効きが以前より悪くなった」「ブレーキペダルがなんとなくふわふわする」などの症状が車に現れたら、ブレーキまわりを専門の整備士にみてもらうのがよいでしょう。

ブレーキフルード交換のタイミング例

ブレーキフルードの交換のタイミングは、車の利用状況や使用するブレーキフルードの規格によって変わってきます。以下に例を示します。

  • 一般道、街中だけの使用で、かつDOT4以上のブレーキフルードを使用している場合:車検ごとの交換
  • 一般道、街中だけの使用で、DOT3を使用:1年ごとの交換
  • 高速道路やワインディングを頻繁にドライブされる場合:半年~1年ごとの交換