ヘッドレストの正しい使い方や位置は?
ヘッドレストの使用において、最も大切なのは高さの調整です。追突時にしっかり頭部を受け止められる高さに設定することが大切です。
頭を後ろに傾けてみて、ヘッドレストの上部に乗り上げてしまうような高さ設定ではダメです。確実に頭部をホールドしてくれる高さに調整しましょう。
前後の調整も可能なヘッドレストでは、ふつうの感覚よりかなり前の方、運転姿勢をとったときの後頭部に近い位置に設定するのがベストです。
アクティブヘッドレストとは?
近年は、アクティブヘッドレストを搭載する車種も増えています。アクティブヘッドレストとは、追突時、瞬時のうちにヘッドレストを自動的に適正位置へ移動させるシステムです。
追突時には乗員がシートに沈み込みますが、その力を利用し、てこの原理でヘッドレストを移動させます。アクティブヘッドレストがある車とない車で衝突実験を行った結果、確実なむち打ち症の抑止効果が認められました。アクティブヘッドレストは今後さらに普及が予想されます。車選びの参考にしてみてください。
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ヘッドレストは外すと法律違反で罰金?
運転席のヘッドレストは義務
1969年に運転席のヘッドレストが義務化し、助手席においても2012年に装着して運転することが法律で義務化されています。この義務を怠ると「道路運送車両法の保安基準」に違反となり、状況によっては罰金刑や懲役刑が科せられることが定められています。単なる違反切符を切られて罰金払っておしまい、の行政処分ではない刑事処分となります。
4 前項の自動車(次に掲げる自動車を除く。)の座席の後面部分は、当該自動車が衝突等による衝撃を受けた場合において、乗車人員を保護するものとして、構造等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。ただし、前項各号に掲げる座席にあつては、この限りでない。
一 乗車定員が十一人以上の自動車(高速道路等において運行しないものに限る。)
二 貨物の運送の用に供する自動車国土交通省
ヘッドレストを外すと車検にも通らない!
車検は一定の基準に沿った「保安基準」に基づいて判断されます。
ヘッドレストに関しては、保安基準の第22条の4(頭部後傾抑止装置等)において定められていますが、2012年6月30日以前に製造された車とそれ以降に製造された車で、ヘッドレストについての内容が異なります。内容については以下のとおりです。
- 平成24年6月30日までの車…運転席のみヘッドレストが必要
- 平成24年7月1日以降の車…運転席と助手席のみヘッドレストが必要
助手席のヘッドレストにおいては必要とみなされ改正されましたが、後部座席のヘッドレストについては改正が行われていません。
車種によっては、最初から後部座席のヘッドレストがないという場合もあるでしょう。その場合、ヘッドレストがなくても車検は通ります。一般的には、運転席と助手席にヘッドレストがあれば車検には通るでしょう。