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意外な生物から教科書を書き換える発見。脳と目の神経ネットワークが進化したのは4億5000万年前の水の中だった

カラパイア

教科書を買い替える発見。目と脳をつなぐ神経の謎が判明
photo by iStock

 目と脳はとても洗練された神経ネットワークでつながれている。今回、予想外のところから、その進化がこれまで考えられてきたよりずっと古いものであることが明らかにされた。

 予想外のところとは、「ガー」というシーラカンスやギンザメに匹敵する古い魚のことだ。その目と脳を結ぶ神経を最新の技術で調べたところ、従来の説よりもずっと古く、少なくとも4億5000万年前には進化していたらしいことが判明したのだ。

目と脳をつなぐ神経はいつ登場したのか?これまでの仮説


 従来の仮説では、目と脳の神経ネットワークは、1億年前にまず陸生動物で進化したと考えられていた。人間もまたそれを受け継いだ種であり、そのおかげで奥行きのある立体的な視野を手に入れることができた、と。

 そう考えられてきた一因として、この手の研究でモデル生物がよく利用されていることが挙げられる。
 
 たとえばモデル生物として一般的なゼブラフィッシュの目・脳間神経は、人間のものとはまるで違う。各々の眼球は、1本の神経で反対側の脳に結ばれている。つまり左目は脳の右半球に、右目は左半球につながっているのだ。

 だからこそ、高度な目・脳間神経はまず陸上で生きる4本足の動物で進化したと考えられてきたのだ。

目と脳の神経ネットワークの進化
photo by Pixabay

古代魚ガーに人間と同じ神経ネットワークを発見


 一方、古代魚と呼ばれる「ガー」はゼブラフィッシュよりもゆっくりと進化してきた種だ。そのため、体の構造が魚と人間の共通祖先のものにより近く、進化の歴史を探るには都合がいい。

 『Science』(4月8日付)に掲載された国際グループの研究では、ガーの目と脳をつないでいる神経を最新の技術で染め上げて、そのネットワークが調べられた。

 すると意外にもガーの神経は、両側性であることが判明した。つまり人間と同じように、眼球から2本の神経が伸びており、それぞれが脳の左右の半球につながっているのだ。

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顕微鏡画像でとらえたガーの脳。左半球は緑色、右半球は紫色に染色されている。脳の底部を見ると、一部に隣の色が混ざっていることが分かる。これは人間と同じく、ガーの目が左右両半球につながっていることを示している
Credit: Reprinted with permission from R.J. Vigouroux et al. Science 372:eabe7790 (2021)

 このことは、目と脳の神経が、従来の説で想定されていたよりもずっと古く、少なくとも4億5000万年前には進化していたらしいことを示しているという。

 米ミシガン州立大学のガーの専門家インゴ・ブラーシュ氏は、「授業の教材として使っている教科書を書き換える発表をすることができました」と語っている。

References:Fishing for answers to life’s mysteries | MSUToday | Michigan State University / Bilateral visual projections exist in non-teleost bony fish and predate the emergence of tetrapods | Science/ written by hiroching / edited by parumo

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