「農免道路」見たことはある?
農免道路(農免農道の場合もあります)と聞いて分からない人は多いのではないでしょうか。
道路の種類の一つですが、運転免許取得の学科試験などに出てくる道路でもありませんし、地域によっては存在しません。
しかし、意味は知らなくても、見覚えがある人はいるのではないでしょうか。標示板で「農免道路」と表示されている道路は一体、どんな道路なのでしょう。
農免道路の意味|作られた理由とは
農免道路は、農業用道路(農道)の中の一つで正式名称は「農林漁業用揮発油税財源身替農道」です。1949年から揮発油(ガソリン)に税金(揮発油税)が課せられ、道路を整備するための財源として使われることになりました。
しかし、世論から「農業や漁業用機械に消費される揮発油税については必要経費であるため免除してほしい」という声があがりました。
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ですが、個人を特定し揮発油税を免除するにには限界があります。そこで、かわりに免税相当額を財源に、農林漁業用揮発油税財源身替農道整備事業によって作られ「農免農道」や「農免道路」などと呼ばれるようになりました。
名称は、農林漁業用揮発油税を免除するという意味からきたものだったのです。
農免道路が作られた理由
理由は、ガソリン税(揮発油税)にありました。一般的に、道路の建設のためには様々な財源がありますが、ガソリン税(揮発油税)も道路整備の財源として重要なものの一つでした(道路特定財源制度)。
車に乗る人は、ガソリン代を支払うということはそこに含まれている税金を同時に支払い、その税金で道が整備されているということになります。道路を使う人がその費用を負担しているという考え方です。
ガソリンは農業のためにも使われている
しかし、ガソリンは普通の自動車だけに使われるだけではなく、農業用の機械(トラクターなど)、林漁業でも使います。道路を使っていないのにガソリン税を支払っていることになるため、その税金が道路に使われてしまうのは不公平であるという考え方が出てきました。
そのため、農業用の機械でガソリンを消費する時には道路特定財源としてのガソリン税は免除するとしたいのですが、ガソリン購入時の用途によってガソリン税も免除することができません。