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コロナ収束後、中国からのインバウンド旅行者の買い物はどう変わるか?

J-CAST会社ウォッチ

そうやって稼いだお金を何に使っているのか。第3章では、子どもの教育費と老親の介護、年金にふれている。

広州市在住の家族を紹介している。夫婦共稼ぎで推定年収は2000万円以上。中学2年生の長女は私立中学に通っている。居住区によっては「重点学校」といういい学校に入れず、社会問題になった。そのため、居住区に関係なく入れる私立の小学校、中学校が増えているという。学費は年間75万円程度だが、中学受験の際、塾代が年間90万円かかったというから、日本以上の教育熱かもしれない。

ネットで消費する「Z世代」

第4章以降は、「欲しいものを手に入れる若者たち」「美食と健康のためなら散財する」など、従来の中国人では考えられない思考と消費行動をする「Z世代」と言われる若者たちの姿を描いている。

1995年以降に生まれた世代を世界では「Z世代」と呼んでいるが、中国の「Z世代」の特徴として、生まれたときからインターネットがある「デジタルネイティブ」、「SNSネイティブ」であることだ。

消費意欲が旺盛で、自分の好きなものにお金を使う傾向が強いという。また、「メイド・イン・チャイナ」の化粧品の人気が高いそうだ。以前は「国産品はよくない」という固定観念が中国人にはあったが、若い「Z世代」にはないという。

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ネットで欲しいものを手に入れる若者たちの間で、ネットの消費者金融に手を出す人が増え、社会問題になっている。「KOL(キー・オピニオン・リーダー)」という「中国版のインフルエンサー」のような存在がネットで大きな影響力を持ち、ライブコマースで売り上げを伸ばしている。

ネット通販、フードデリバリーも日本以上に普及している。スマホでの電子決済サービスが定着しているからだ。中島さんは、配送員の存在に目を向けている。北京や上海などの大都市で働く配送員の70%は地方出身者で、いわゆる出稼ぎ労働者だとされる。月収5000元(約7万5000円)という厳しい境遇で働いている。

そうした都市と農村の格差は、戸籍制度の違いが生み出したものだが、中島さんは「ネットが普及してよかったと思うことの一つは、情報格差、地域格差、貧富の格差など、中国で問題になっていた格差が、ある程度解消できるようになってきたことだ」と書いている。

日本に特化した「KOL」の女性(東京在住)は、新型コロナで中国人が日本旅行に来ることは難しくなってしまったが、仕事が減っているわけではないという。

「日本の商品や文化に興味がある中国人はこれまで以上に増えており、日本に来られないからこそ、また来たいという需要は高まっていると感じています。中国と同じく、日本でも地方自治体が地方の商品をアピールするためにライブコマースに関心を持ってくれています」

インバウンドの中国人の買い物は、コロナ収束後はどう変わるのだろうか。いずれ、その日が来ることを期待したい。


「中国人のお金の使い道」
中島恵著
PHP研究所
990円(税込み)

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