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又吉だけじゃない、芸人初の受賞者となっていたサンドウィッチマンの後輩

リアルライブ

 お笑いコンビのピース・又吉直樹が「第153回芥川賞」を受賞したのは、もう6年近く前。又吉フィーバーの陰に隠れて、“じゃないほう”の作家・羽田圭介ものちにタレントとしてブレイクした。

 又吉の芸人初の快挙に続いて、20年末から21年3月にかけてはジャニーズタレント初の出来事があった。20年末、NEWSの加藤シゲアキが上梓した「オルタネート」が「第164回直木三十五賞」の最終候補作として残った。残念ながら受賞は逃したが、21年3月に「第42回吉川英治文学新人賞」を受賞。ジャニーズきっての文学青年が金字塔を打ち立てた。

 又吉が「先生」になったこの6年間で、文壇界のジャンルレス化は加速した。派手さに欠けるピン芸人も、ひっそり記録を作っていた。田中光だ。20年7月、「たなかひかる」名義で手掛けた初の絵本「ぱんつさん」が、「第25回日本絵本賞」を受賞。芸人が獲得するのは初だった。

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 グレープカンパニー所属で、“好感度ナンバー1コンビ”サンドウィッチマンの後輩にあたる田中。事務所仲間の永野やカミナリ、東京ホテイソンやティモンディといったテレビタレントと異なり、これまでの芸人人生では多彩な才能を使い分けてきた。ピン芸人としてはかつて「タナカダファミリア」を名乗り、コンビとしては事務所の後輩「お見送り芸人しんいち」と「田中上野」として活動した。田中のフリップ、しんいちの歌で、17年には「Abema杯 第1回フリップ芸-1グランプリ」で優勝している。

 その名がメディアで知れ渡ったのは、「サラリーマン山崎シゲル」シリーズの漫画家として。14年に、サラリーマンの山崎シゲルが部長を相手に繰り広げる異常な日常をひとコマ漫画で発表すると、文化系有名人を中心にジワジワ拡散。脱力系漫画として多くの大企業とタイアップし、関連カフェをオープンしたこともある。すでに累計30万部を超えるロングセラー。サンドもその才能を認める偉才だ。

 一方、吉本興業でも“絵本界の又吉”が誕生していた。19年に「月刊MOE」(白泉社)が発表した「第12回MOE絵本屋さん大賞2019」の新人賞1位に、ひろたあきらの絵本「むれ」が選定されていたのだ。全国の絵本専門店や書店の児童書売り場担当者といった現場のプロから、1年間で最も支持された絵本。同賞初の芸人だった。ひろたは、ピン芸人としてテレビに出たのは数える程度。だが、絵本作家としては大きな足跡を残した。

 芸人が世に出る経路は多岐にわたる。デジタル化が至上命題とされる今に逆流するような「絵」の「本」。こういう手法の出じろもあるのだ。

(伊藤由華)
 
   

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