映画『友罪』夏帆の体当たりの熱演に絶賛の嵐。「正直本当にしんどかったです」
映画『友罪』夏帆の体当たりの熱演に絶賛の嵐。「正直本当にしんどかったです」
現在全国公開中の映画『友罪』の公開記念トークイベントがTOHOシネマズ新宿にて行われ、夏帆、瀬々敬久監督が登壇した。 本作は、デビュー作で江戸川乱歩賞を受賞したミステリー界の旗手で、少年犯罪を取り巻く人々を繊細に描き続け […]

現在全国公開中の映画『友罪』の公開記念トークイベントがTOHOシネマズ新宿にて行われ、夏帆、瀬々敬久監督が登壇した。

本作は、デビュー作で江戸川乱歩賞を受賞したミステリー界の旗手で、少年犯罪を取り巻く人々を繊細に描き続ける薬丸 岳が2013年発表した同名小説を映画化したもの。町工場で働く元ジャーナリストの益田(生田斗真)と親しくなる他人との交流を頑なに拒む同僚の鈴木(瑛太)を中心に、「鈴木はかって世の中を震撼させた“少年A”では」と疑心や後悔に囚われたさまざまな人間模様を描く慟哭のヒューマンサスペンスだ。

「隣にいる友人が、かつて世間を震撼させた事件の元少年Aだったら」という、難解なテーマを扱った本作に対して、「正直即決で決められた訳ではなかった」と少なからず出演への迷いがあったことを告白した夏帆であったが、瀬々組には以前から憧れを抱いていたようで、「以前、別の作品でご一緒したスタッフの方が、『今までで一番印象に残っているのが瀬々監督の現場だった』と話されていたのがすごく印象に残っていて。初めて瀬々組に参加させていただけるのがすごく楽しみでした」と、役への不安よりも興味が勝ったオファー当時の心境を吐露。現場での瀬々の熱意あふれる演出には沢山の刺激を受けたとし、「(瀬々監督は)誰よりも真直ぐに作品と向き合っていて、熱量がとにかくすごい。私たちもそんな瀬々監督に引っ張られ、瀬々監督のために映画を作りたいと思える現場でした」と述懐した。

現場では、瀬々から常々「『限界を超えてくれ』と言われていた」と明かした夏帆。壮絶な過去に人生を振り回される美代子というキャラクターに対しては「演じていても、頭では理解できても、生理的に理解できなかった。美代子は、私の日常の延長線上で演じられる役柄ではないと思っていた」と語り、「もし恋人または惹かれている相手が、過去に大きな罪を犯していることを知ったら私自身はどういう選択をするのだろう、と撮影中もずっと考えていましたが、答えはまだ出ていません。理想では一緒に生きていきたいのですが、現実では沢山の障壁があるんだとも思いますし……。撮影が終わった時も、これで終わりかぁといった感じで(笑)。最後まで役柄を完璧に掴めてはいなかったと思います」と役作りへの苦しみを打ち明けた。

一方の瀬々は、「そんな偉そうな言い方してたっけ?(笑)パワハラにあたるのかな……」と苦笑いを浮かべながらも、「いや、瀬々監督は全然偉そうな感じで仰ってはなかったですよ!」とフォローする夏帆に対して、「(美代子を演じるのは)すごく大変だったかと思う。夏帆さんも本当に現場で悩みながら演じられているなと感じました」と労い、「ラストシーンでの、美代子の横顔は素晴らしくて印象的でした」と美代子を見事に演じきった夏帆へ称賛の言葉を贈った。

イベントの中盤には、観客とのティーチインが行われた。「単純な善悪では割り切れないほど登場人物に多面性があって、見るほどに深まっていく映画だった」と、今日が3回目の鑑賞だという男性から賛辞とともに「見ていて心が痛くなるような“被害者”を演じた夏帆さんはどんな心境で演じ切ったのか」との質問が及ぶと、夏帆は「演じていて正直本当にしんどかったです」と改めて告白。「自分の見たくない弱い部分を、見なければならない感じがして……、出口がなかった」と続けながらも、「でも、私自身がそうして悩んでいたことも、役のためになっていたのかなと完成した映画を観て感じました」と振り返った。続く別の男性からも、「美代子は、夏帆さん以外の女優さんを想像しづらいほどだった」との感想が飛ぶと照れ笑いを浮かべる夏帆だったが、「瀬々監督は、もし次回夏帆さんを主役に映画を撮るならどんな役を演じてもらいたいか」との質問に「『ミスター・グッドバーを探して』(78)のような、“昼は女教師、夜は娼婦”みたいな役とか……」と瀬々が回答すると、「んー……」とさすがに苦笑い。これには瀬々も「まずい!」と焦り、「セクハラだとは思わないでください……!」と懇願し、場内は笑いに包まれた。

また、別の男性からは「瑛太さん演じる鈴木に漂うリアリティがとにかくすごかった!」との感想が。生田や瑛太、そして瀬々組常連の佐藤浩市ら錚々たる俳優陣に囲まれた夏帆は、中でも共演シーンの多かった瑛太の演技について「私もすごく圧倒されました。瑛太さんの芝居を、受け止められるのかという怖さはずっと感じていましたね。今でも忘れられない鈴木の表情が沢山あって、本当にすごい役者さんだなと」と絶賛。瀬々も「夏帆さんにとっても、瑛太さんが横にいたのが大きいと思う。あの独特な空気感で、いい化学反応になったと思います」と2人を改めて絶賛した。

最後に、瀬々は、「『友罪』は、僕らも答えを探しながら作った映画です」と前置きしながら、「生田さん演じる益田が鈴木を飲みに誘うシーンで、鈴木が少し嬉しそうに『コンビニでつまみでも買って』と言うシーンは、加害者が何気ない、でもかけがえのない時間を感じる、個人的にも好きなシーンです。こういう宝物のような時間が、犯罪者だった人の何かを解き放ったり、逆にかけがえのない時間を奪ってしまったと気付く、そういうこともあると思います。そして、そういったかけがえのない瞬間を与えられるのは、家族だったり友人なのかなと。僕自身、完成した映画を観て、新たに発見しました」と力強く解説。その上で「千差万別でも良いので、皆さんにもこの映画を通して、何かを感じ取っていただきたいです」とコメント。続く夏帆も、「正直、賛否はあるかと思いますが、もし観ていただいた方の心に何か引っかかるものがあれば、家族やお友達にも伝えていただいて、皆さんで話してもらえたら嬉しいです」と監督と共に、アピールした。

【STORY】
ジャーナリストの夢に破れて町工場で働き始める益田(生田斗真)と、同じタイミングで工場勤務につく鈴木(瑛太)。鈴木は周囲との交流を避け、過去を語りたがらない影のある人物だが、同い年の二人は次第に打ち解け心を通わせていく。だが、あるきっかけと行動で、益田は鈴木が17年前の連続児童殺傷事件の犯人ではないかと疑い始める――。

作品情報

『友罪』
大ヒット公開中
監督・脚本:瀬々敬久(『64-ロクヨンー前編/後編』)
原作:『友罪』薬丸 岳(集英社文庫刊)
出演:生田斗真、瑛太、夏帆、山本美月、富田靖子、佐藤浩市
配給・宣伝:ギャガ
©薬丸岳/集英社
©2018映画「友罪」製作委員会 

オフィシャルサイト
http://gaga.ne.jp/yuzai

『友罪』原作

 

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(更新日:2018年6月11日)

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