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巨人V9の幕が開けた「1960年代」/年代別オールスター

週刊ベースボールONLINE

優勝への貢献度、それを凌駕する実績、そしてインパクトを踏まえて、プロ野球の全選手を主に活躍した年代ごとにセレクト。超豪華オールスターをお届けする。

400勝投手の初優勝



巨人・金田正一

 前年まで6年連続で最下位に沈み続けていた大洋を率いる三原脩監督が“魔術”で初優勝に導き、その勢いで下馬評を覆して日本一に輝いたのが1960年。63年に野村克也が52本塁打を放ってプロ野球記録を更新すると、翌64年には王貞治(巨人)が55本塁打で早々に更新。続く65年には巨人が2年ぶりに日本一の座に返り咲くと、そのまま前人未到のV9へと突き進んでいった。

【1960年代オールスター】
先発 金田正一(巨人ほか)

中継ぎ 権藤博(中日)

抑え 宮田征典(巨人)

捕手 森昌彦(巨人)

一塁手 榎本喜八(大毎)

二塁手 高木守道(中日)

三塁手 長嶋茂雄(巨人)

遊撃手 吉田義男(阪神)

外野手 張本勲(東映)
    山内一弘(大毎ほか)
    広瀬叔功(南海)

指名打者 野村克也(南海)

 先発には現在もプロ野球記録の通算400勝を残して69年限りで引退した金田正一。全盛期は50年代だが、優勝への貢献度から60年代でセレクトした。低迷を続ける国鉄のエースだったこともあり、優勝の美酒を味わったのは65年に巨人へ移籍してから。数字は国鉄時代より下がっているが、プロ野球選手としての姿勢など、V9戦士に与えた影響は計り知れない。

 セ・リーグには60年代に“ミスター・タイガース”と呼ばれた村山実、その阪神から“世紀のトレード”で東京へ移籍して最多勝となった“精密機械”小山正明、貴重な左腕とし巨人V9を支えた高橋一三に大洋の初優勝に貢献した秋山登ら、パ・リーグには“ガソリンタンク”米田哲也(阪急)、“怪童”尾崎行雄(東映)や“黒い霧事件”に巻き込まれた池永正明(西鉄)、67年に最優秀防御率の活躍で阪急黄金時代を呼び込んだ足立光宏もいた。また、バッキー(阪神)やスタンカ(南海)などの“助っ投”の存在感も際立った時代だ。

 現在のような投手分業制のない時代でもある。ほぼ便宜上になるが、中継ぎにはプロ1年目の61年に“権藤、権藤、雨、権藤”が流行語になり、連投のイメージが強烈な権藤博を置いた。スターターも充実していることから、実際のような完投、完封、完了、完投といった酷使の心配も少ない。

 そんな時代にあって、抑え投手がいるのが60年代だ。心臓の疾患で長いイニングを投げられなかったことから登板は決まって試合終盤、ピンチの場面。ナイターでの登板時間から“8時半の男”と呼ばれた宮田征典だ。65年にシーズン最多の69試合に登板して20勝。これに、現行の制度を当てはめると22セーブもつく。まさにV9の使者となった右腕だった。

 司令塔には、川上哲治監督をして「V9の陰のMVP」と言わしめた森昌彦を据えた。もちろん、そのV9の始まった65年にパ・リーグで戦後初の三冠王となった野村のリードが劣るという意味ではない。優勝経験では森に分があるが、ともに歴代屈指の頭脳派捕手であり、熱い野球談議を交わした盟友でもある。野村が指名打者にいれば、三冠王の打棒を発揮できるだけでなく、守備中のベンチでも“頭脳労働”で貢献してくれそうだ。

 60年代に優勝経験がないためラインアップから外れた“闘将”江藤慎一(中日)や“18歳の四番打者”土井正博ら強打の外野手を指名打者として、野村が司令塔、森は“8時半のマスク”という捕手リレーもおもしろい。秋山が登板したときには土井淳(大洋)との“黄金バッテリー”を再現したいところだ。

“お祭り男”の晴れ舞台



巨人・長嶋茂雄

 三塁は長嶋茂雄の独壇場。セ・リーグのベストナインは長嶋が独占している。パ・リーグでは小玉明利(近鉄)が60年代で最多。長嶋と同様にオールスターで抜群の強さを発揮したヒットメーカーだった。

 一塁は史上最年少で通算2000安打に到達した榎本喜八。二遊間には史上最高との呼び声も高い名手が並んだ。二塁には60年代に2度の盗塁王にもなった高木守道。遊撃には金田がもっとも苦手とした“牛若丸”吉田義男だ。一、二塁間には60年の大洋から“天秤棒打法”の近藤和彦、日本シリーズMVPの近藤昭仁のコンビもいる。

 二塁手では70年代に続き、“野球博士”スペンサー(阪急)や“シンキング・ベースボール”のブレイザー(南海)ら助っ人の頭脳派が目立つ。また、60年に初のベストナインに選ばれたのが仰木彬(西鉄)だ。パ・リーグの遊撃手では小池兼司(南海)がベストナインの常連。セ・リーグの遊撃手では吉田と並ぶ名手の広岡達朗(巨人)もいる。

 外野手ではプロ野球記録の通算3085安打を残した張本勲が全盛期。62年に日本一を経験してMVPに選ばれ、67年からは4連続で首位打者にもなった。“ミサイル打線”の中核として本塁打王、打点王の打撃2冠に輝き、大毎を優勝に導いたのが山内一弘(和弘)だ。61年から5年連続で盗塁王となったのが広瀬叔功。同じ韋駄天では“赤い手袋”柴田勲(巨人)もいるが、62年の入団で、当時は投手だったこともあり、通算成績で分が悪い。ただ、優勝への貢献度は抜群で、プロ野球で初めて本格的なスイッチヒッターとして成功したパイオニアでもある。

 70年代や90年代に比べると、打線の破壊力は控えめになった印象はある。その分、戦力のバランスはいい。実際の巨人は王、長嶋の後を打つ五番打者に頭を悩ませたが、ここでは長嶋の前後に並ぶ打者に困ることもなさそうだ。金田を軸とした投手陣も豪華だ。オールスターとなったら、“お祭り男”の異名を取った長嶋の大活躍も期待できる。高いレベルの攻守とハッスルプレーで、もっともファンの歓声を集めそうな年代と言えるだろう。

写真=BBM

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