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一夫一婦制のゴキブリはお互いのハネを食べあって永遠の愛を誓う(ゴキブリ出演中)

カラパイア

お互いのハネを食べあって愛を深めるゴキブリ

 ゴキブリと言っても様々な種類がいる。みんながイメージするのは大量発生し、家宅侵入しがちな室内害虫、チャバネゴキブリだろうが、中には自分の体の一部を捧げて愛をつらぬくゴキブリもいるようだ。

 森林に生息するクチキゴキブリは一夫一妻制で、交尾の時にお互いのハネ(翅)を食べあうという。ハネは再生することはなく一生飛べなくなる。

 お互いにハネを捧げて自由を手放すのは「あなたと一生添い遂げます」というある種の愛情の証なのかもしれない。

交尾前にお互いのハネを食べあうクチキゴキブリ


 日本の九州以南、台湾、東南アジアに生息する「クチキゴキブリ」は、森林に住み、腐った木の内部にトンネルを掘り、夫婦で子育てをする家族愛に満ちたゴキブリだ。

 今回、九州大学の研究グループは、彼らの思いもよらぬ夫婦の絆を目撃してしまったようだ。沖縄に生息する「リュウキュウクチキゴキブリ」のオスとメスが、交尾をする前にお互いのハネ(翅)を食べあっていることが観察されたのだ。

 まずカップルの一方が相手の背に乗り、翅をムシャムシャと食べ始める。食べ終われば、今度は体勢を入れ替えて、今度は相手に自分の翅を食べさせる。

 翅を食べられている側はときおり激しく身震いし、共食い行為が中断することもある。だが、それ以外は特に痛みを感じている様子はない。

 観察中、12カップルはお互いの翅を部分的にしか食べなかったが、もう12カップルは完食してしまったという。


配偶相手の翅を食うクチキゴキブリ

生物界では珍しい自分の体の一部を捧げあう共食い


 このゴキブリが非常に珍しいのは、お互いに翅を食べ合うという点だ。

 たとえばカマキリは、交尾中や交尾後にメスがオスを殺して食べてしまうことで知られており、こうした行動を「性的共食い」という。

 あるいはシゲアリムシや一部の蝶など、オスがメスに食べ物を贈って、うまく交尾に持ち込むような種もいる。これは婚姻贈呈という。

 今回の事例は、性的共食いとも婚姻贈呈とも解釈することができる。しかし、オスとメスがそれをお互いに行う事例が観察されたのは、世界で初めてのことだ。

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image credit:九州大学 大崎

お互いのハネを食べあうメリットは?


 なぜお互いのハネを食べあうのか?その理由はまだ正確には解明されていない。

 性的共食いや婚姻贈呈のメリットは、これから子供を産まなくてはならないメスがたっぷりと栄養を蓄えられることだが、翅はほとんど栄養価がない部分だ。それによってお腹がいっぱいになることはない。

 翅がなくなれば遠くに行くことはできないので、夫婦そろって子育てをする環境は整えられるという仮説も成り立つ。

 他にも、翅にはカビやダニがつくこともあるので、そうした病気から身を守るという意味もあるのかもしない。

 クチキゴキブリのカップルは一生を木の中で添い遂げる。翅を捧げ自由を手放すのは、「あなたとずっと一緒ですよ」という意思表示であるようにも思えてくる。

 この研究は『Ethology』(1月25日付)に掲載された。 

References:九州大学 / Ethology/ written by hiroching / edited by parumo
追記:(2021/02/23)本文を一部訂正して再送します。

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