原因菌のブドウ球菌は夏場に増殖しやすい
小さな傷から細菌に感染するとびひ。
原因菌により2種類に分けられますが、なかでも「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」は、小さい子どもがかかりやすく夏に感染しやすい病気として有名です。
伝染性膿痂疹の原因菌は、人の鼻や耳のなかにいる常在細菌のブドウ球菌。
そのため、鼻をほじったりして細菌がついた手で、虫さされやあせもの部分をさわると感染してしまいます。
このブドウ球菌が夏場に増殖しやすいことから、7~9月にかけて子どもに流行しやすくなるのです。
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伝染性膿痂疹は、感染すると細菌が作り出す毒素によって皮膚に水ぶくれができます。
かゆみをともなうので、この水ぶくれをひっかくことで、中の細菌を含む液体がほかの皮膚にも付着し、水ぶくれが広がります。
悪化すると敗血症や腎臓の障害が
この伝染性膿痂疹が悪化すると、ブドウ球菌が作り出す毒素によって、全身が侵され、やけどのよう皮がむけてしまいます。
これを「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(通称SSSS)」といいます。
乳児や小児によく起こる病気でしたが、近年では効果的な抗生物質が登場し下火になりました。
早期に発見し、治療を開始すれば重症にはなりません。