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ポルトがユベントスを圧倒できた理由とは? C・ロナウドを無力化、指揮官が徹底的に植え付けた規律と精神力【CL分析コラム】

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ポルトがユベントスを圧倒できた理由とは?  C・ロナウドを無力化、指揮官が徹底的に植え付けた規律と精神力【CL分析コラム】

 ユベントスは当然猛反撃に出るが、82分にFWフェデリコ・キエーザが1点を返すにとどまった。1stレグはホームで戦ったポルトが2-1で制した。

 会心の勝利を収めた後、セルジオ・コンセイソン監督は手放しで選手たちのパフォーマンスを称えた。

「立ち上がりがうまくいったのは偶然ではなかった。相手に強くプレッシャーをかけるのは、もともと我々の狙っていたことだ。ゴールキックなどでボールが止まったら、相手にプレッシャーをかけるのは簡単になる。選手たちは試合が始まった時点で、我々が望んでいたことを完璧に理解していた。

1-0になってからは、低い位置でも高い位置でも守備ブロックが常に整理されていた。相手がアドリアン・ラビオを使ってリズムを作ることもわかっていたので、サイドに追い込んで封じることもできていた。選手たちは素晴らしいパフォーマンスを見せ、ゲームプランを最善のやり方で表現してくれた。彼らはこの勝利において、偉大な労働者だった」

 徹底的に中央からの侵攻を阻止し、ユベントスのキープレーヤーをサイドに追いやることがポルトの守備の狙いだった。ラビオやFWクリスティアーノ・ロナウドをゴールから遠ざければ、彼らが期待されたほどの仕事を果たすことはできないと踏んでいたのだろう。実際、ピッチ上では想定通りの現象が起こっていた。

徹底されたゲームプラン

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 ユベントスはボール支配率「68%」と極めて高い数値を叩き出しながら、90分間で放ったシュートは「12本」。枠内シュートは「5本」あったが、キエーザの得点シーンを除き、ポルトのGKアグスティン・マルチェシンの好セーブやDF陣による渾身のブロックに阻まれてしまった。

 アンドレア・ピルロ監督は「立ち上がりの1分で失点するというのは奇妙なことだが、守備を徹底する方法を熟知するチームと対峙した選手たちが自信を失うのは自然なことだったと思う」「我々のボールの動きが遅すぎて、ゲームの構造を理解するのに十分なインテリジェンスを持ち合わせていなかった」と悔やんでいた。

 一方、ポルトは守備に時間を割いたこともあってシュート「8本」とチャンスの数も少なかったが、プレーが緩慢になりがちな前後半の立ち上がりに攻勢をかけて少ないチャンスを2つのゴールに変換した。効率的に勝利を収めるプランが機能していたと言えよう。

 選手個々の献身性や役割分担も徹底されていた。守備時は4-4-2のブロックを敷き、マレガとタレミの2トップが相手センターバックからの組み立てを牽制する。中盤ではセルジオ・オリヴェイラが中央に陣取り、相方のMFマテウス・ウリベが広範囲に動き回って凄まじい勢いのハードタックルでピンチの芽を次々に摘んでいく。両サイドの選手たちは粘り強く目の前の選手についていき、ボールを奪ったらロングボール主体で素早くカウンターに出る。

 攻撃に移ると今度は中盤でウリベが中央に鎮座し、セルジオ・オリヴェイラが広範囲に顔を出して味方を積極的にサポート。2トップめがけてロングフィードを蹴り、収まりどころができたら一気にギアを上げて、両サイドバックもどんどん攻め上がっていく。最終ラインも果敢に押し上げて、決して自陣に引きこもるのではなく強気の姿勢を貫いた。

ポルトは「常に最大値を、限界まで」

「ユベントスは70分以降に初めて危険なシュートを放ったのみだ。我々はイタリアの王者であり、世界最高クラスの選手たちを何人か抱える非常に強力なチームについて話している。今日のパフォーマンスは我々の堅実さを示しており、有能で非常に強力な守備組織を持っていることを証明している」

 セルジオ・コンセイソン監督はCLグループステージでわずか1失点、ユベントス戦のものも合わせて計2失点しか喫していないポルトの守備陣の堅牢さを誇った。キエーザにゴールを奪われるまで、CLで548分間連続無失点の記録を継続し、クリスティアーノ・ロナウドをも無力化した守備力は伊達ではなかった。

 国内リーグでは19試合で21失点なので、CLではもはや別のチームと言っていいほどの姿を見せている。かつてポルトでもプレーしたユベントスのDFアレックス・サンドロが「ポルトはいつも、ホームで強豪相手に素晴らしいパフォーマンスを見せる」と語っていたのは、あながち間違いではないのかもしれない。グループステージではマンチェスター・シティと2度対戦し、アウェイゲームは1-3で落としたものの、ホームでは0-0と善戦していた。

 選手たちもユベントスを打ち破って自信を深めている。セルジオ・オリヴェイラが「完璧な試合をした」と振り返れば、ウリベは「無失点で終えたかったが、ユベントスのような相手との試合でミスは許されない。いい経験になった。自分たちが果たした仕事に誇りを持っている。守備的によく組織され、全員がやるべきことをやった。やらなければならなかった。これは重要な一歩だが、僕たちはまだ何も成し遂げていない」と勝利を喜びつつ、次戦以降に向けて気を引き締めていた。

 セルジオ・コンセイソン監督が植え付けた勝利への執着心や犠牲心、組織力を担保する規律、強豪相手にも怯まない精神性、徹底した準備など全てが実った勝利だった。ユベントスの選手たちの脳裏には、獣のような眼でボールに食らいつき、一糸乱れぬ動きでゴール前に立ちはだかるポルトの選手たちの狂気的な姿が焼きついているに違いない。

 準々決勝進出をかけたユベントスとの2ndレグは、来月9日に予定されている。ポルトの指揮官は「トリノでの試合は非常に難しいものになるだろう。だからこそ、我々は今日のような態度と精神を持ち続ける必要がある。ポルトのような歴史を持つチームはいつだって、試合や対戦相手によって行動を変えることはない。常に最大値を、限界まで出し切らなければならない」と言葉に力を込めた。

 ユベントスもポルトも2ndレグまでに国内で3試合をこなして、2週間後の一戦に臨む。逆転突破を目論むアンドレア・ピルロ監督がどのような打開策を準備してくるかにも注目したい。

(文:舩木渉)

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