
写真・朝日新聞
かつて、給料は現金を手渡しでもらうものだった。それが銀行振込みになったのは、1968(昭和43)年に発生した「三億円事件」がきっかけだったという。そして、その銀行振込みすら「懐かしい」と思う時代が、すぐそこまで来ているらしいーー。
1月28日、厚生労働省の労働政策審議会で議論されたテーマは、「給与の電子マネー払い」についてだった。電子マネーに詳しい、「ポイ探」代表の菊地崇仁氏が解説する。
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「今回、議論されたのは、給料を『〇〇ペイ』などの電子マネーの口座に振り込むことも認めよう、というものです」
じつは現在でも、給料は現金での支給が原則で、銀行振込みは例外として認められている。今回はこの例外に、電子マネー口座への振り込みをくわえてはどうか、という提案が議論された。その背景には、社会のキャッシュレス化を進めようという、政府の思惑があるという。