「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/能天気さん(49)会社員】
かつての同級生たちはみな親の介護や体調、仕事で悩んでいる。私は両親はとうに亡く、私自身は健康で、独身なので妻子への不満もない。ちなみに結婚の意思もない。だから、たいして悩みがない。同世代が持つような悩みがないのが、悩みだ。
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【山口先生のお答え】
悩む必要はありませんよ、能天気さん。人は年を取るごとに不幸になっていきます。二十年後、あなたは悩みの塊です。これは脅かして言ってるんじゃありません。私の実体験です。
父が亡くなるまで、つまり42歳まで、私はあなた以上に能天気でした。少なくともあなたは独立採算ですが、私は親の家に住んで半分ニートみたいだったし、おまけにマザコンでした。私は母親ととても仲が良かったし、父は内心はどうあれ放任主義で干渉しなかったので、実家の居心地は快適でした。