【ライブレポート】BIGMAMA、TRANSITの意を込めた全国ツアーファイナルを母の日に開催
【ライブレポート】BIGMAMA、TRANSITの意を込めた全国ツアーファイナルを母の日に開催
5人組ロックバンドのBIGMAMAが5月13日に、東京・Zepp Tokyoで『TRANSIT MAMA TOUR 2018』のツアーファイナルをおこなった。UtaTenでは、BIGMAMAの日ともされる母の日に行われたライブの模様をお届けする。

『Theater of Mind』で幕開け


『TRANSIT MAMA TOUR 2018』は、2月14日の恵比寿LIQUIDROOM公演を皮切りに、全国10公演を廻るもので、2017年10月15日に日本武道館で行われた『BIGMAMA in BUDOKAN』で演奏されなかった曲を中心に展開。この5月13日と言えば、BIGMAMAの日でもある母の日だ。彼らが一番大切にしているこの一日は、あいにくの雨空であったが、そんな事はお構いなしと言わんばかりに、多くの観客が会場に詰め掛けBIGMAMAのライブを楽しみにしているようだった。

 ドラムセットの右横には、真っ赤に染まった赤いカーネーションの束が飾られており、母の日を特別に想うBIGMAMAならではの表現が反映されていた。ライブが始まる前の場内アナウンスでは、「本日はご搭乗頂き、誠にありがとうございます」と『TRANSIT MAMA TOUR 2018』に引っ掛けた、機内アナウンスがされており、スタートから乗客をユニークさと心高ぶる気持ちにさせた事だろう。

定刻を過ぎ場内が真っ暗闇に包まれると、交響曲第9番 (ベートーヴェン)がSEとして鳴りだし、観客から盛大なクラップが鳴らされる。その音に導かれるように、メンバーがステージに登場。柿沼広也(Gt、Vo)の鋭利なギターに乗せて、フードを深く被った金井政人(Vo、Gt)が繊細な歌声を響かせ幕を開けたのは、『Theater of Mind』。序盤からアップテンポな同曲に対し、フロアではクラウド・サーフィングをする人々も多く見られ、熱気に満ち溢れていた。

1発目の勢いに続くように、2曲目からは2010年10月に既存のクラシックをオマージュした作品『Roclassick』に収録の懐かしのナンバー『虹を食べたアイリス』、『テレーゼのため息』を連続で投下。そして、人生をヒーローインタビューに例えた『ヒーローインタビュー』や、レインバーの煌びやかな照明の中で歌われた、甘くて可愛らしいナンバー『Weekend Magic』を披露し、BIGMAMAの虜になってしまう魔法を観客にかけていた。

フードパーカーを脱ぎ捨て、半袖の姿になった金井は「TRANSITツアーファイナルへようこそ」と挨拶。その言葉に連なるように、東出真緒(Vn・Key)の美しいストリングスがドラマチックに展開される『Perfect Gray』と『ex-extra』へ。8曲目からは、クラウド・サーフィングをしている人々が忙しなく見られた『Gum Eraser』、『Overture』、『Merry-Go-Round』を力強く畳みかけた。

優しく幸せの在り方を示されるような『ファンデーション』を奏でた後は、リアド偉武(Dr)の轟くドラムを筆頭に、安井英人(Ba)の重厚なベースライン、柿沼の攻撃的なギターで攻めた『アリギリス』に突入。同曲では、BIGMAMAがみんなと同じ生き方で良いのか?と問いているようだった。



新曲をサプライズで2曲披露


『Sleeping Beauty~二度寝をする眠れる森の美女~』を奏でたライブ中盤では、『The Vanishing Bride』の2曲目に収録されているキラーチューン『Flameout』をぶちかますと、ここで新曲を披露。BIGMAMAらしい美しさ、繊細、儚さ、温かさ、そんな情景や想いが伝わる楽曲で、観客も特別なプレゼントに笑顔が咲き誇っていた。

金井はエレキギターからアコースティックギターに持ち変えると、日常的に降りかかる生と死を歌った『週末思想』、虚無感と魅惑さを漂わせる『俯瞰show』を語り掛けるように奏でた。

「永遠のような一瞬を」という深いフレーズが印象に残る『Royalize』では、澄み切ったブルーの光の中、開放感を与えるように金井は歌を捧げた。その後、柿沼のボーカルから始まる『The Right』へと続き、癒しを与える心地の良い音の素晴らしさを提供した。


ノンストップで披露していた楽曲の中、ここでようやくMCに。柿沼は「Zeepにお集まりの皆さんお元気ですか?この日だけは格別ですね。何回目かわかりませんが、初めてBIGMAMAという名前にしてよかったなという日です」とバンド名を母の日に連想させる事が出来た事を喜んだ。金井は「お弁当の話でもする?」といきなり話題を振ると、柿沼が「俺たちのバンドって11年目じゃないですか?だから1時間前にご飯を食べると、(食べたものが)上がってくるっていう事を知っているはずなのに、今日崎陽軒のシュウマイがずっと上がってきててね…」と苦悩したエピソードを明かした。そして柿沼は「1時間前に食べたから、正直『The Right』どころじゃなかったんだけど…」とユニークにトークを繰り広げた。

そして金井は柿沼のお弁当話にかけながら「どっちかが熱くてもどっちかが冷たいと、ニ人でいると温くなっちゃう。」「我々の楽曲は基本的に冷たくても美味しいように出来ています。皆さんが家に持って帰って、眠たいときでも死にたいときでも、生きたいときでもなんでもいいんで聴いてくれたら。ただ、一番美味しいのは熱いのが好きなんです。今一番熱々な新曲をやってもいいですか?」と言葉を届けると、本日2曲目の新曲を披露。金井の何処か綺麗な言葉の言い回しと、新曲を一度で終わらせない彼らの粋な計らいに、黄色い歓声が飛び交っていた。


あなたの迷いが晴れますように、あなたの心が晴れますように、一点の曇りなし


ライブ後半では、BIGMAMAのライブでは定番曲とも言える大切なナンバー『秘密』、ニューシングル『Strawberry Feels』のカップリング曲『POPCORN STAR』を披露。そして、彼らの楽曲の中でも絶大な人気を誇る『最後の一口』へと向かい、フロアでは最高潮の盛り上がりに。

弾け飛ぶアップチューンの空気から一変。赤と青の照明が目まぐるしく場内を照らし出し、ここからは狂気に満ちたサウンドが際立つ『Donuts killed Bradford』、BIGMAMAが革命を起こすアイズとも言える『ファビュラ・フィビュラ』、そして、ライブには欠かせない衝動的な『荒狂曲”シンセカイ”』を畳み掛け、モッシュや拳を振りかざすという激しさが加速していた。

 27曲目では、メジャーデビュー曲ともなったニューシングル『Strawberry Feels』に突入し、進化した彼らの新しい一面を、甘美で狂気なサウンドに乗せ華麗に披露した。


 金井はエレキギターから再びアコースティックギターへと持ち返ると、『DOPELAND』収録の『CRYSTAL CLEAR』へ。「あなたの迷いが晴れますように、あなたの心が晴れますように、一点の曇りなし」そう言葉を届けながら、観客の苦しみ、悲しみ、そういった感情を払拭させてくれる希望の楽曲を丁寧に奏でていた。

 そして「ラスト、あなたに贈ります」と金井が叫ぶと、大切な人との絆を歌った『SPECIALS
』でフィナーレへ。フロアからは「we are the specials 僕らは“SPECIALS”」をシンガロングするといった光景が広がり、BIGMAMAとの最高のSPECIALSが生まれていた。


 金井は最後に「ありがとうございました!」と深々にお辞儀をすると、メンバーはステージから去っていった。最後にはBIGMAMAの母の日には欠かせない『母に贈る歌』がENDSEとして流れだし、ライブは終幕した。

ライブ終了後、ステージ中央に置かれていた、真っ赤なカーネーションが来場した観客に配布されており、母の日を存分に発揮するさりげない温かさが彼らの魅力の一つだと再認識させた。

インディーズからメジャーへと引っ越しをしたBIGMAMAだが、彼らの芯の部分は決して変わることがなく、今後も人々もロッククラシックの世界へと誘ってくれるだろう。

Text:橋本美波
Photo: 高田 梓

セットリスト


1.Theater of Mind
2.虹を食べたアイリス
3.テレーゼのため息
4.ヒーローインタビュー
5.Weekend Magic
6.Perfect Gray
7.ex-extra
8.Gum Eraser
9.Overture
10.Merry-Go-Round
11.ファンデーション
12.アリギリス
13.Sleeping Beauty~二度寝をする眠れる森の美女~
14.Flameout
15.新曲
16.週末思想
17.俯瞰show
18.Royalize
19.The Right
20.新曲
21.秘密
22.POPCORN STAR
23.最後の一口
24.Donuts killed Bradford
25.ファビュラ・フィビュラ
26.荒狂曲”シンセカイ”
27.Strawberry Feels
28.CRYSTAL CLEAR
29.SPECIALS

ENDSE
母に贈る歌
(更新日:2018年5月15日)

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