
安くて旨い飯といえば、B級グルメ。ファストフードからご当地メシまでその幅は多岐にわたりますが、今回は意外と知られていない、ボートレース場の“勝負メシ”をご紹介します。
食楽webではこれまで、江戸川、平和島と2回にわたってボートレース場の絶品メシを食べ歩いてきましたが、今回、向かったのは東京・府中市の『ボートレース多摩川』。

ため池を利用して作られたレース場で、砂利の採掘を行い、防風林を植えたりすることで、川にも海にも影響を受けないボートレース多摩川の水面は、“日本一の静水面”とも呼ばれています。

このボートレース多摩川には、大きなレストランが3つ、フードコートや売店も充実しており、計9店舗の飲食店が営業中。1日かけても全て回るのは困難なほど、たくさんの飲食店が軒を連ねています。食べたいものが必ず見つかりそうなラインナップで、食べ歩きもとっても楽しいんです。
ちなみに、関東のボートファンの間では、ボートグルメの2大巨頭は「平和島のもつ煮、多摩川の牛炊(ぎゅうすい)」というのが定説。はるばるボートレース多摩川に来たからには、この「牛炊」は食べずに帰れません! というわけで、さっそく入場料100円を支払い、本場へ突入です。
東京・2大ボートグルメの一角『ウエイキー』の「牛炊」

広告の後にも続きます
まずは、ボートファンの中で人気No.1とも噂される、『ウエイキー』の「牛炊」を目指して奥へと進みます。店に入ると…まず驚くのはその広さ。座席数100を超える店内では、ラーメンやカレー、本日の定食などが味わえます。

食券を購入してカウンターへ。もちろん「牛炊」をオーダーします。多摩川の名物といえばコレ。そういえば、人気テレビ番組「月曜から夜ふかし」でも、多摩川のソウルフードとして紹介されていましたよね。
「牛炊」は1分も待たずに登場。さすが競艇場のレストランだけあって、提供が早い! 大きい丼にスープのような見た目、それにキムチと唐辛子とニンニクが添えられています。

スプーンですくってみると、中から現れたのはご飯と牛肉。「牛炊」とは牛の雑炊のことで、まろやかな塩味です。小さなお肉がゴロゴロと入っていて、噛まなくてもほどけていくほど柔らか。それもそのはず、牛すじを4時間もコツコツと煮込んでいるんだそうです。

牛肉をじっくりと煮出して、塩で整えたシンプルな味つけなのですが、なんとも絶妙で美味しい! スープの味がとっても上品で、まるでソウル市内の名店で牛テールスープかクッパでも食べているような感じ。いやむしろそれ以上か? と思えるほど洗練された味わいで、びっくりしました。
半分ほど食べて、味変でニンニクと唐辛子を入れてみると、これまたピタリと合います。一気に薬味の香りが広がって、これまでとまったく異なる味わいが楽しめました。
うどんにカレー、揚げ物、定食と多摩川はグルメ天国!
