
苦しんだり傷ついている仲間に寄り添い、その苦痛を和らげようとする動物の姿は尊い。尊すぎて涙が止まらなくなる。今話題となっているのは、きょうだい愛溢れるジャーマンシェパードの姿だ。
動物病院の診療台に横たわる犬は妹で、彼女を抱きかかえているのはお兄さん犬。2匹とも犬パルボウイルスに罹患したため病院で集中治療を受けていた。
イヌ科間で感染するそのウイルスは、ワクチン接種が有効な反面、特効薬が無いためひとたび発症して生き残れるかどうかはその犬の体力や免疫力次第といわれている。
兄犬は免疫を獲得したが、妹は引き続き治療が必要だった。そんな彼らを気にかけてた獣医の目をうるませたのがこの光景だった。
ウイルスに罹患したジャーマンシェパードの兄妹
この映像はエジプトのカイロにある動物病院Africano Centreで、彼らの治療にあたったMohammad Bu Yahya医師が2018年にシェアしたものだ。
力ない様子で横たわり点滴を受ける妹犬と彼女を抱きかかえるようにする兄犬。回復の兆しが見えた兄はかたときも離れずに妹をなぐさめていた。

同医師によると、この犬はきょうだいそろって犬パルボウイルスに罹患したため数日前から入院治療を受けていたという。
犬パルボウイルスはイヌ科間での感染率がきわめて高いウイルスだが、ワクチン接種で予防できる。よってペットの犬が罹患する恐れはほとんどない。

しかし行き場がなく予防接種が受けられない犬にとってはいまだに恐ろしいウイルスだ。実はこの感染症には今のところ特効薬が無く、発症してもできる治療は症状の軽減や対症療法のみで免疫獲得を期待するほかないという。
そのため放置すると嘔吐や発熱、下痢などを引き起こし、体力がない子犬や若い犬を死に至らしめることもある。
どうか妹を助けて!心配する兄に医師も思わず感動
2匹のために集中治療を始めたBu Yahya医師は連日彼らと共に過ごしていたが、4日目で兄がようやく免疫を獲得。妹のほうはまだ苦しんでいた。
動画はその時のもので、回復してきた兄は見るからに妹を心配していたという。
彼は妹への愛と思いやりを示し、私たちに彼女を救ってほしいと頼んでいます
なお幸いなことにその後は妹も完全に回復し、2匹とも無事に退院したとのこと。獣医も思わず胸を打たれた2匹の動画は、犬の深い愛とやさしさに満ちた光景として今もネットを巡っている。
References:goanimalsなど /written by D/ edited by parumo