
円周率を表すΠ型の自転車 image credit:vimeo
免許不要であらゆる人が気軽に乗れる自転車には、タイヤがランニングシューズといった変わり種もあったりするが、オランダでは円周率П (パイ)にちなんだ自転車が開発されていたようだ。
Π型ボディが特徴のこの乗り物は、マレーシアのイラストレーターの作品にヒントを得たオランダのデザイナーとアーティストが共同制作したもの。
パッと目を引く白いボディは軽量かつなめらかなカーボンファイバー製。しかもこれ、眺めるだけのアートではなく完全に自転車として機能する。
円周率の記念日と同時にアインシュタインの生誕を祝った「Pi Bike(パイバイク)」をみてみよう。
The Making of The Pi Bike from Tadas Maksimovas on Vimeo
Π型自転車の絵を現実に!オランダの2人が作業開始
製作者の一人であるオランダ在住アーティストのタダス・ マクシモアスによると、この自転車のアイデアのもとになったのは2017年3月にマレーシアのイラストレーターTang Yau Hoongが「円周率の日」にちなみ発表したデザインだった。
これを目にしたマクシモアスとオランダの工業デザイナー、マーティン・クーメンが、実際に乗ることができるΠ型自転車プロジェクトを立ち上げ、世にも珍しい形状の実現に向けて作業を開始した。

image credit:vimeo
一から手作り。樹脂製のPi Bike誕生!
図面の引き直しから始めた彼らは、3D化するまでの複雑な課題をどうにか克服。ダンボールや合板を使ってフレームのデザインから、樹脂製のプロトタイプまでこぎつけた。

image credit:vimeo
その後いくつもの試行錯誤ののち、2017年末にカーボンファイバー製のPi Bikeが完成。丈夫でなめらかな軽量フレームの数学系自転車がついに誕生した。

初乗りはアインシュタイン!?デザイン業界からも反響が!
世にも珍しい自転車は奇しくも3月14日生まれの物理学者アルベルト・アインシュタインも喜んでくれそうなおしゃれデザイン。
でもって翌年の円周率の日の初乗りはアインシュタインに捧げられた様子。
Happy Pi day from martijn koomen on Vimeo
この自転車は公開以来、さまざまな分野で高く評価され、デザイン業界のみならずテクノロジーやライフスタイル系のブログでも反響を呼んでいる。
ちなみにこの自転車、残念ながら販売予定はないものの、アムステルダムの美術館などに初号機が展示されてるもよう。

image credit:vimeo
数学記号を自転車と融合させるアーティストのひらめきからして突飛だけれど、そこから本当に乗れる自転車を作ってしまう2人もすごい。乗り心地はさておいてもインテリアに一つ欲しくなっちゃうな。
References:toxel / tadasmaksimovasなど /written by D/ edited by parumo