Folderのメインボーカルとして10歳でデビューをしたが、変声期をきっかけに休養。
2005年にシングル「Keep It Goin’ On」でソロデビューを果たすが、ブランクがあったこともあり、当初は思うようにパフォーマンスができなかった。
そんな中でも、三浦はあきらめなかった。得意なダンスを磨き、歌の練習に励んだ。
三浦大知の「Cry&Fight」
すべてが上手くいかない そんな時いつも「Cry&Fight」の歌詞にあるように、すべてが上手くいかないと落ち込んでも、あきらめずにその先を見続けた。
もっと遠くに行ける気がした
心を磨いていく雨 その向こうから
Oh oh 本当の鼓動
「心を磨いていく雨」…涙を流した分だけ、心が磨かれる。そうして磨かれた心からだけ、本物の鼓動が聞こえてくる。
三浦にはわかっていた。あきらめたら、そこですべてが止まってしまうこと。目指した先にだけ、本当の未来が待っていることを。
裸足のまま走る街Folderで歌手活動を始めてから、気付けば20年の歳月が経っていた。そうして掴み取った、大きなチャンス。
すり抜ける人の波
どれくらい経ったのだろう
とっくに迷いはなかった
2017年1月にリリースした「EXCITE」で、自身初のオリコン週間シングルチャート1位を獲得。
この年の日本有線大賞で有線音楽優秀賞を受賞。日本レコード大賞では「EXCITE」が優秀作品賞を受賞した。そこからの紅白初出演。
2016年に第一子が誕生していた三浦。守るべきものが増えて、より一層音楽活動にも力が入ったのかもしれない。
なんにせよ昨年の快進撃は、三浦の長いキャリアから考えれば、「やっと」という感じがある。
というよりは、世界レベルのダンスに、高い歌唱力。やっと世間が、三浦の実力に気付いたのだといえるだろう。
強い意志が込められた楽曲から聞こえる「本当の鼓動」
「Cry&Fight」の歌詞からは、等身大の三浦大知が、なんの違和感もなく浮かぶ。苦労を力に変えて、どこまでも進んでいこうという強い意志。
彼がどんなに泣いたとしても、頭上には星が光り、そして何度でも、「太陽が照らす場所へ」進んでいくのだろう。
生まれながらのスターとは、こういう人のことを言うんだと思う。
3月にベストアルバムが発売される三浦。これからも、そのパフォーマンスで、私たちをわくわくさせてくれることだろう。
彼からは「本当の鼓動」が聞こえてくる。
TEXT:遠居ひとみ