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大阪では上司に「あのね」と言う。それってホントに尊敬してるの?

テレビドガッチ


大阪の人たちとつきあうとうらやましいことがある。人との間の垣根が低いと言うか、うわべの付き合いではなく誰とでも最初から友だちづきあいできる気がする。いちおう「ですます」調でしゃべっていても、そこに関西弁が加わると親しさが会話ににじみ出て自然と仲良くなれる。気を許しあうのにさほど時間がかからない。建前を優先しがちなこの国の人間関係だが、大阪の人とは早くから気さくな関係になれる。そんな空気をひとりひとりが醸し出してくれる。

ただ、逆に気さくすぎじゃないの?と言いたくなることもある。見ていてはらはらするのが上司と部下の関係だ。部下が上司と話すのを見ていると、さすがに気さくすぎじゃないの?上司の人は笑ってるけど心の中で怒ってるんじゃないの?そう言いたくなる。

驚くのが、部下が上司に「あのね」と呼びかけることだ。「あのね」というのはどう見ても親しい者同士で使う言葉で、目上の人に使う言葉ではない。子どもが母親に「あのね、お腹すいたの」と言ったり、恋人同士で「あのね、欲しい物があるの」と言ったり、「実は」というニュアンスで使われる言葉だ。どこか相手に甘える時に用いるかなりなれなれしい言い方。

ところが大阪ではビジネスマンが上司に「あのね」をよく使う。淀屋橋のOL3人組に聞くと「部長、あのね」などとよく使うという。うーん、それは君が部長になれなれしいからじゃないの?「失礼にならないすか?」と聞くと3人声を揃えて「使うよなあ」と返答した。

接客業の2人組のおにいさんに聞いても「上の人に使います。下の人には言えへん」と断言する。「怒られたことは一回もない」とまで言い切るではないか。別のビジネスマンに「あのね」について聞くと「敬語やろ」と言う。え?敬語なの?「めちゃめちゃ敬ってますよ」とまで言うのだ。「あのね=敬語」という概念はまったくわからない。

確かめるためにある会社で観察すると、部下が課長のデスクにやってきて「すみません課長、あのねこの納期の件なんですけど・・・」と確かに上司に使ってるぞ「あのね」を。しかも他の部分はすべて敬語、冗談でもないしからかってるわけでもない。まったく普通の上司への報告をしている会話の中に突如「あのね」が挿入されているのだ。

言われた課長がその件を部長のデスクに報告に行くと「部長失礼します、あのね、こないだ言うてた納期の件・・・」と、ここでも普通の丁寧な上司への報告の中に「あのね」が挟み込まれている!ええー?なんか違和感。どこか失礼。そんなモヤモヤが湧き起こるのだが、上司も部下もまったく気にしてない様子。変なの!

「あのね」について大阪でさらに聞いて回ると、新たな意見が登場した。「同僚や部下には、あんな、ですよ」ええー?「あのね」は上司、「あんな」は部下に使うものなの?どっちも大して変わらない気がするけどなあ。「先輩にあんなって言うたら、コラァ!って怒られますよ」「あのね、と“ね”をつけるのがごっつ丁寧なんや」と言う。うーん、さっぱりわからない。「あのね」は丁寧で敬語、「あんな」だと怒られるの?「あのねは慕ってる、愛情もある」とまで言う。でも「あんな」はダメなの?全然わからない!

「あのね」と「あんな」の違いはわからなかったけど、大阪人が上司との会話でも親密さを大事にしているらしいことはわかった。そこは見習いたいしうまく表現していけば、上司との関係もよくなって仕事が楽しくなりそう。でも、大阪以外で上司に「あのね」を使うのは絶対に真似しないでね。叱られても知らないよ・・・。

【文:境 治】

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