夫の死後1千万円の請求が来た例も…「デジタル終活」のススメ
夫の死後1千万円の請求が来た例も…「デジタル終活」のススメ
「亡くなった母のスマホの中に。家族の思い出の写真が大量に保存されているのですが、パスワードがわからないので、ロックが解除できません。

「亡くなった母のスマホの中に。家族の思い出の写真が大量に保存されているのですが、パスワードがわからないので、ロックが解除できません。どうすればいいでしょうか」

今やパソコン、スマートフォンなどのデジタル機器に、写真や書類などのデータを大量に保存する時代。だが、持ち主が死んだ後、遺族からの冒頭のような嘆きが後を絶たないというーー。

そこで注目されているのが、「デジタル終活」。デジタル遺品(パソコン・スマホ等の電子機器内のデータやインターネットサービスのアカウント等)に対する死後の取り扱いについて考える活動のことだ。

「昔はプリントして残されていた写真が、今やデジタル遺品の典型例になっています。写真というのは思い出が詰まっているものなので、デジタル終活においても、非常に重要な位置を占めています」

こう語るのは、日本デジタル終活協会代表理事で弁護士の伊勢田篤史さん。1人1台スマホを持つ時代。写真や書類のデータ保存はもちろんのこと、インターネットで銀行や株の取引きをしている人も多い。だが、自分が死んだ後、パソコンやスマホ内に残されたデータの取り扱いについて、真剣に考えている人はどれだけいるだろうか。

「普通の遺品と違って、デジタル遺品はパソコン、スマホの中を見ない限り簡単には見つからない。そのため持ち主が死んだ後、遺族はその存在すら把握しにくい。それがデジタル遺品の特徴です」(伊勢田さん・以下同)

遺族が把握していないことから、思わぬトラブルに巻き込まれた例がある。

家族に内緒で、かなり高いレバレッジ(保証金を担保に、その数倍の金額で取引できる制度)をかけてFXをやっていた夫が、交通事故で突然亡くなったのだ。

「ちょうど亡くなったタイミングで為替が大幅変動して、追加証拠金を支払わなくてはならなくなったのです。その金額は1,500万円。証券会社はすぐさま状況を伝えるために、夫の携帯電話に連絡を入れたのですが、交通事故で携帯は破損していたためつながらない。家族と連絡がついたときには、時すでに遅し……。遺族はそのときはじめて夫がネット取引をやっていたことを知ったのです」

配偶者が亡くなった場合、このような事態に陥らないためにはどうすればいいのか。

「デジタル終活にも考慮したエンディングノートを夫に書かせることですね。パソコンやスマホにログインするためのIDやパスワード、契約しているネット証券の名前とIDとパスワードなども書いてもらうことです」

(更新日:2018年2月13日)

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