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安室奈美恵のHeroはこれからの私達のためのHero。

UtaTen

そんな彼女が引退を前に、2017年の紅白歌合戦に急遽、特別枠で出場したのは記憶に新しい。そして、新年が明けて幾分か経った今も彼女が紅白で歌い上げた「Hero」は心に強く残っている。

安室奈美恵のHeroは2016年に開催された、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックNHK放送テーマソングでもあった。
このHeroの歌詞をオリンピック・パラリンピックを背景に語ると、Heroはオリンピック・パラリンピック選手自身の想い。そして、オリンピック・パラリンピックを目指す次世代のアスリート達と世界平和の祭典に心を熱くする全世界の人の全ての夢や希望を歌っていると解釈できる。

しかし、引退を控えた「今の安室奈美恵」が歌ったHero。それは安室奈美恵自身のこれまでの25年間で携えた強さが生んだメッセージ。彼女の歌声に触れた全ての人へどうか伝われ!と願いが込められた、夢と希望の歌なのだ。
――――
いろんな色で染まる世界で一人で

振り向かなくてもいい
今までの君のまま進めばいいから
あきらめないでeveryday
――――
安室奈美恵のアーティスト人生の軌跡ってとても色鮮やかだな。と思う。アムラーって呼ばれる当時の安室ちゃんのスタイルに憧れた女の子達。
整えた細眉、ミニスカートに厚底ロングブーツ…。もちろんその外見に憧れて、安室ちゃんの真似をした女の子達をアムラーって言ったのだけど。彼女達はただ、安室ちゃんの外見にだけ憧れたわけじゃない気がする。

彼女達は、安室ちゃんが歌い踊る姿に「かっこよさ」を見いだしていた様に思う。同じ女性としてのかっこよさ。安室ちゃんの内面にある強さが歌やダンス、表情に溢れていた事に憧れを抱いていたのではないだろうか。その内面への憧れを、外見を真似る事で=変わりたい・変えたい。こうなりたい。っていう願望を叶えていたのではないかと思う。

当時アムラーって「ギャル」ってくくりの、可愛い事や楽しい事が大好きな。ノリの軽やかな女の子が模してたスタイルではあったのも事実。でも、女の子ってみんな自分が「こうなりたい」って思う部分に「尊敬」から生まれる「憧れ」がなければ「変わりたい」とか思わない。女の子はどんな子でも軽卒なんかじゃない。
だから彼女達が本当に模したかったのは外見のスタイルもそうだけど、内面のかっこよさ、強さだったんだと思う。

そんなアムラーという、社会現象を巻き起こした安室奈美恵。それと同時に記録的なミリオンセラーを次々に叩き出し、トップアーティストとして堂々たる姿で益々輝きを放っていった。そんな中で突然の結婚発表。同時に母になる喜びも語りその年の紅白歌合戦出場を最後に1年間の産休に入る。

この後の復帰からも、公私ともに様々な事が彼女の心とアーティスト人生に揺さぶりをかけたように見えた。
正直、どうして気丈に歌っていられるのだろうと。いちオーディエンスのこちらが心を痛めた事もあった。

ざっとだけど、安室ちゃんを思って振り返る安室ちゃんの軌跡って。すごく色鮮やかだと思いませんか?でも「色とりどり」じゃないんです。「色鮮やか」なんです。

『いろんな色で染まる世界で一人で』この歌詞にその意味を見る事が出来る。いろんな色というのは、安室ちゃんが生きたこれまでにあった様々な出来事。その出来事に安室ちゃんの心は流される事はなかったけど、きっと揺さぶられてきたと思う。

その揺さぶられた心は、時に悲しみや苦しみの色に。それよりも遥かに幸せの色に嬉しい色に深く染まれた。「強さ」で象られた安室奈美恵という「純白」は、引退という大きな決断を清々しく堂々と宣言し。一人の女性アーティストとして「自分は自分」「自分の道は自分で決め歩む」という「揺るがない強さ」を確実なものとして私たちに見せた。

『今までの君のまま進めばいいから』
『あきらめないでeveryday』

そんな安室ちゃんが歌うから、この歌詞が誰の声よりも強く優しく響く。悲しみの色、苦しみの色に染まっても。無理に立ち上がらなくてもいい。幸せの色、嬉しい色に感じた豊かさの方へ、その悲しみも苦しみも抱えながら進んでいけば必ずまた笑える。と、ここでは安室ちゃんがアーティストとして強くいられた大事な心の持ち方を伝えてくれている。
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強くなれる訳は大切な人が
常に笑顔で支えてくれた
だから乗り越えられる
険しい道のりも
――――
アーティストとして生きていた安室ちゃんの強さの一つに、母親であるという事を挙げてもいいと思う。もちろん安室ちゃんの強さは生きる事で培ったものが多いと思うけど。
それでも、母親である事は間違いなくその強さを豊かにしたはずで。安室ちゃんが歌声に乗せる想いを豊かにしたと感じる。

このHeroの中に唯一出てくる『大切な人』という表現。この前後に出てくる歌詞を誰かに伝える時に一番しっくりとくる表現でもある「大切な人」。この表現をあえて、唯一ここでしかしない意味。
それは安室ちゃん自身が心から大切にしている「アーティストでありたい」という強い心を『常に笑顔で支えてくれた』存在の事を。母親としての安室ちゃんが、唯一無二の愛情を歌で表現したいという想いを表現している。

きっと恋人でも憧れの人でもいいのだろうけど。安室ちゃんは絶対的に母親になれた事で、『険しい道のり』という本音は心細く辛い道のりも。独りではなかったと思う。だからこの『大切な人』は自分を母親にしてくれた存在に向けられていると考えられるのだ。
――――
響く声にそっと耳傾ければ
離れていてもみんなの想いが
今までの私の背中を押してくれたよね
――――
そして、安室ちゃんの心にこれまでたくさんの勇気を与えた『声』。その声はオーディエンスの喝采。アーティストで在り続けた安室ちゃんがオーディエンスを想った時、その声は『響く声』となって聞こえているんだろうな。と想像する。

トップアーティストとして立ち続けたそのステージは、人と人が個人を認識し合うには遠いと感じる広さ。そんなお互いが遠く離れて見える広いステージにも、オーディエンスの声は確実に安室ちゃんに届いている。
決して個人として知り合う事はなくても、支え合えているという実感。アーティストとオーディエンスでしか共に出来ない、特別な感情の共有。

その感情がステージに立ち続ける安室ちゃんの背中を押していたという事実を、表現したこの一節。どうしても伝えたかったんだと思う。だから、想いを歌に乗せて伝えたい人の中で一番心に残る最後のこの部分にこの歌詞があるのだろう。
――――
どこまでも
すべて君のために走る
永遠に
輝くあの星のように

君だけのためのhero
限りなく遠い道も
君とならどこまでも
夢つかむまできっと

君だけのためのhero
いつまでもそばにいるよ
――――
これまでの安室奈美恵のアーティストとしての25年。こちらから見ていると、まだまだ歌っていて欲しいと思うのが正直なところ。
でも、2017年に引退を決意して伝えてくれた安室ちゃんをただ純粋に想うと。なんだかとても安室ちゃんらしい気もする。

「自分は自分」「自分の道は自分で決め歩む」って安室ちゃんの持つ強さ。キャラキャラと笑って魅せながら、自分の中の自分に迷いを感じつつも未来に向かって歩く女の子達が憧れたその強さ。
彼女たちもきっと、大人になって安室ちゃんの歌と一緒に豊かな強さをそれぞれの形で手にしているだろう。

そして、彼女たちだけじゃない。ファッションは真似なくても、その強さに惹かれ耳を傾けた歌声に心を強くさせられた全ての人。
そう、安室ちゃんの願いであるアーティストで在りたい。その願いを引退のその日まで必ず叶え続けてくれる、全てのオーディエンスへ。あの大晦日の夜にこのHeroは、国民的かつ安室ちゃんにとっては節目節目に立ってきた紅白という大舞台で涙と共に歌われたのだ。

この歌は、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックのテーマソングという背景もあるけれど。今の安室ちゃんがあの大晦日の夜に歌う事でその背景に足された想いがある。

それは、引退を迎えてアーティストとしての安室ちゃんがステージから降りたその日からも、続いていく私たちの毎日。
『いろんな色に染まる世界』に生きる私たちの傍に必ず歌で寄り添うと、その心を体現したHeroで『いつまでもそばにいるよ』と励まし支える約束を込めた願い。その想いが、最高の景色となって私たちの胸に残り希望となって生き続けていくのだと思う。

このHeroという歌は。これからの私たちの心の中でずっと『輝く星のように』明るく在り続けると思う。困った時には必ず飛んできてくれる。むしろ困る事なんてないようにいつもさりげなく傍で見ていてくれる。そんな心のヒーローのように。


TEXT:後藤 かなこ

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