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器用さも見せるオリックス・黒木優太。新球種習得のきっかけは対京田

週刊ベースボールONLINE


大胆さと器用さを持ちわせる黒木優太。2年目の今季は、どんな投球を見せるのか

 絶対的な変化球を2つ持っている――。ピンチでも真っすぐで押すことを前提としたうえで、オリックス・黒木優太が挙げる『理想の投手』だ。

 理由を問うと、こんな答えが返ってきた。

「メジャー・リーグを見ていて思ったんです。カーショウ(ドジャース)もカーブ、スライダーを持っていて、真っすぐも速い。ストレート+1つの変化球だけなら打者は2択に絞れる。単純に3択できれば投球の幅が広がるし、打者も迷ってくれるので」

 マウンド上では『直球勝負』の大胆さが際立つ右腕だが、言葉を交わせば器用な一面が見えてくる。そんな“大胆さ”と“器用さ”が生んだのが、タテのスライダーだ。

 立正大1年時の日大戦。打席に京田陽太(現中日)を迎えると、投じるボールをことごとく、ファウルでカットされた。そこで「タテに落としてやろう」と思いついたという。

「アイツ(京田)、ファウルばかり打って、しつこいんですよ(笑)。だから、握りを変えて『タテに落としてやろう』と。そうしたら空振りを奪えて。それから使い続けている球種です」

 初めて投げた球種とあって、当然サインもなかったが「捕手は吉田裕太さん(現ロッテ)だったので、絶対に捕ってくれると信じていましたから」と言ってのける。実戦でいきなり投じることのできる“強心臓”と、すぐさま結果を出す“器用さ”。タテのスライダーは彼の二面性の産物だ。

 そんな背番号54だが、今季に向けて、昨季はほとんど投げなかったカーブ、シンカーを試しているという。1年目の昨季は、投じた全959球の約76%がストレート。そこにタテ、ヨコのスライダーを交えていたが、昨季途中には「まだ(変化球の)完成度が低い。武器とは言えない」ときっぱりと言っていた。だからこそ、冒頭の『理想の投手』に近づくべく、大学時代に投じていた2球種に磨きをかけている。

 1年目の昨季は6月を終えて防御率2.97と結果を出したものの、7月以降は防御率6.33と苦戦。ただ、フルシーズンは通用しないことも、本人は想定していたのだろう。4月には、こんなことコメントを残している。

「年間を通して、どれだけ自分がプロで通用するのか。どの時期に体がしんどくなるのか。初めてのプロの世界で、1年を通して何を感じられるか。今年(17年)も大事ですけど、来年(18年)に向けて、得られることがあればいいと思うんです」

 飛躍も不振も味わい、迎えるプロ2年目。大胆さと器用さが同居し、柔軟な思考を持つ背番号54は、経験を力に変える資質が十分にある。

文=鶴田成秀 写真=小山真司

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