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【MLB】ぜい沢税がらみでのトレード成立で翻ろうされる野球人生

週刊ベースボールONLINE


ぜい沢税の余波を受けドジャースからブレーブスへのトレードを受け入れたゴンザレスだったが、成立後解雇となり新しいチームを探している。ぜい沢税削除のあおりを受けた形だ

 ぜい沢税が焦点になっている。ドジャース、ヤンキースなど、ぜい沢税を毎年払ってきたチームが、18年シーズンは年俸総額をリミットの1億9700万ドル以下に抑え、ぜい沢税を払わずに済むよう、普通では考えられないトレードを敢行しているからだ。

 現地時間12月16日、ドジャースがブレーブスにエイドリアン・ゴンザレス一塁手(年俸2200万ドル)、ブランダン・マッカーシー投手(1200万ドル)、スコット・カズミアー投手(1555万ドル)、チャーリー・カルバーソン内野手(57万ドル)の4人をトレード、交換相手はマット・ケンプ外野手一人(2年4350万ドル)だった。トレードの理由は、これらの選手が欲しかったのではない。4人ともやや力が衰えが見えるが年俸は高い。要は言葉は悪いがお荷物になっている。
 
 このトレードでブレーブスが4955万ドル、ドジャースが4350万ドルの支払い義務を引き取った。差額はドジャースがブレーブスに払い、同負担になるようにした。なぜそんなことをしたかといえば、ゴンザレス、マッカーシー、カズミアの3人が18年で契約が終わるのに対し、ケンプはあと2年残っており、19年度分のサラリーは18年シーズンにカウントされないことになっている。

 ドジャースはこの支払い義務の交換で18年のサラリー総額を2000万ドル以上削れた。ヤンキースも戦力構想から外れているチェイス・ヘッドリー三塁手の18年の1350万ドルのサラリーを削るため、引き取り手を探していた。先発投手が足りないパドレスが5番手候補のブライアン・ミッチェル投手を欲しいと言ってきた。そこでミッチェルを譲ると同時に、ヘッドリーのサラリーも引き受けてもらった。交換要員はジャバリ・ブラッシュ外野手だが17年は打率.213、5本塁打。ヤンキースが必要とする選手ではない。なぜこんなに一生懸命削るのか? 

 以前にもこのコラムで書いたが、ぜい沢税の税率はリミットを連続して超えると、税率がどんどん上がる仕組みだ。ドジャースは5年連続の超過で50パーセントに達していた。それが1回でも下回ればリセットされる。つまり18年はリミット以下で払わなくてよく、19年は超えても20パーセントになる。18年オフは、ブライス・ハーパー、マニー・マチャド、クレイトン・カーショー(オプトアウトした場合)ら、超大物がFAとなる。そのときに彼らを獲得にいけるように、19年のぜい沢税の税率を20パーセントに下げておきたいのである。

 ところでゴンザレスにはノートレード条項があったが、若手のコーディ・ベリンジャーの台頭で一塁でのプレー機会はないと分かっていた。35歳、もうひと花咲かそうと移籍を受け入れた。だがブレーブスは筋書きどおりに即解雇。ゴンザレスはFAとなり、新たな球団を探し始めた。

 ケンプもドジャースの外野では守る場所はない。しばらくドジャースは引き取り手を探すが、見つからなかったらキャンプ前に解雇するだろう。2200万ドルという高額選手を引き取って、一度も実戦で使わずに解雇し、お金だけは払い続けるのだ。ちなみにこの5人全員が、まったく使われないわけではなく、ブレーブスはマッカーシーを先発ローテで、カルバーソンは遊撃手の控えで使う構想だ。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images

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