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生きろと歌うCIVILIAN「生者ノ行進」に込められた思い

UtaTen

デビューアルバムには彼らが届けようとする音と言葉が詰め込まれている。
そこで、アルバムに収録された「生者ノ行進」の歌詞からCIVILIANというバンドを読み解いてみたい。

CIVILIANの「生者ノ行進」


どうせこんなもんだ」って 吐き出して笑っている
無い物ねだりにも疲れ果てて
意思とは無関係に 産まれてきたくせに
生きてる理由ばっか探してる
突き放すような言葉に耳が釘付けになる。

生きる価値を探していると思っているのは、ただの無いものねだりじゃないのか?

そのくせ、いつも通りやる気をなくして「こんなもんだ」とつぶやく予定調和。

「産まれてきた」という表現には、無理やり生かされているというニュアンスが込められている。
夢ではなくて 希望でもなくて
僕等を歩かせるのはいつだって後悔で
絶望の夜を越えて 何度も負け続けて
気が付けばこんな場所だ 「いつか」を合言葉にして
僕等を歩かせるのはいつだって後悔」というキラーフレーズ。

生きていくのはきれいごとじゃない、というメッセージをこれほど的確に表現する言葉はないだろう。

一方で、表現の辛辣さでは群を抜くCIVILIANの歌詞からは不思議と責められる感じがしない。

その理由はおそらく、歌っているコヤマの目線がリスナーと同じ高さで、聴き手を見下したりこびたりしていないからだと思う。

端的に言うなら、絶望して「何度も負け続けて」きた「僕等」は紆余曲折を経てきたコヤマまたCIVILIAN自身である。

自分たち自身を削りながら音を鳴らしているから遠慮もないし、他人事でもないのだ。

ド直球ストレートな歌詞がまっすぐ心に突き刺さる

さあ腕を振って
傷だらけの体で それでも歌えよ
何もなくても構わないから
僕等は行くのさ 明日を夢見て
直球ストレートなサビ。

一歩間違えると陳腐な応援ソングになってしまう歌詞がまっすぐに突き刺さるのは、現実から目をそらさない彼らのスタンスがあってこそ。

コヤマの陰に隠れてはいるが、決して過剰にならないアレンジで、歌の勢いをそのまま届ける純市と有田の存在も見逃せない。

このストレートなごまかしのなさは、他のバンドにないCIVILIANが持つ資質である。

CIVILIANというバンドの存在を知らしめる「生者ノ行進」

「どうせこんなもんだ」って
そう言って笑っていた
あの日の僕等が
僕等を見てるよ
寒い朝 暗い夜 棄てられた感情
あの日の僕等に今こそ勝つんだよ
頼りない足でも僕等は歩けるさ
ほら一緒に歌おうぜ
自分自身の足で立って歩く。

わかっていても簡単にできないからこの世は挫折や敗北だらけだ。

それでもなお相手に呼びかけるのは、人間という存在に対する信頼が根底にあるから。

スタンダード曲「聖者の行進」からつけられたタイトル。

前に進もうとして苦しむのは生きている証拠で、その生身の姿こそ”聖者”なんだとCIVILIANは伝える。

現実から目をそらさず、ときには叱咤しつつ肩を貸して絶望の淵から蘇生させる。

「生者ノ行進」はCIVILIANというバンドの存在そのものなのだ。

TEXT:石河コウヘイ

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