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【元ロッテ・里崎智也に聞く】なぜアマ時代の“打てるキャッチャー”はプロで打てなくなる?[前編]

週刊ベースボールONLINE

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は捕手編。回答者はロッテ2度の日本一、WBC初代世界一に貢献した、元ロッテの里崎智也氏だ。

Q.古くは野村克也さん、近年では古田敦也さん、城島健司さん、阿部慎之助選手、そして里崎智也さんと、いわゆる“打撃にも秀でたキャッチャー”はいますが、多くの場合、高校や大学でクリーンアップを打っていても、プロ入り後に打撃に苦しむことが多いように思います。それはなぜでしょうか。また、逆に打撃成績を残せる捕手の特徴とはなんでしょうか。(東京都・26歳)



A. 「キャッチャーだから打撃練習ができない」はウソ。そもそもの個人の能力か、まだ練習が足りないか。



イラスト=横山英史

 勘違いしないでほしいのは、プロ入り後に打撃に苦しむのは“キャッチャー”だけではないということです。内野手でも、外野手でも、アマチュアではクリーンアップを打っていても、プロ入り後に小技を磨いてスタイルを変える選手はいっぱいいますし、まったく打てなくなる選手もいます。

 そもそも、表現は適切ではないかもしれませんが、プロとアマでは宇宙に住んでいるのと地上に住んでいるくらい、世界が違うので、アマで打っているからと言って、プロで打てるかどうかは分かりませんよね。しかも、高校からプロに入ると金属から木製に変わります。これも天と地ほど違うもので、これも全員に当てはまる関門です。

 ただ、確かにここ数年のプロのキャッチャーの打撃成績は悪過ぎます。守備に専念すればいいという方もいますが、私の考えではピッチャーであったとしても、「バットを持って打席に入っている人で、打てなくてもいい選手なんて1人もいない。バットを持って入る以上は全員打ってなんぼ」です。

 ほかの野手に比較して、キャッチャーはやることが多いのは確かです。例えばキャンプでは打撃練習中(いくつかの班分けがされて、フリー打撃、ティー打撃、走塁、バント、補強トレーニング、守備など)に本球場を少しの間だけ離れて、ブルペンに入って投球練習を受ける場合もあります。

 だけど、そこは走塁や守備などの順番に回ってくるように配慮されていて、打撃練習に割く時間、生きたボールを打つ回数はほかの野手と実は変わりません。キャッチャーだからって特打ができないわけでもありません。よく言われる「キャッチャーだから打撃の練習量が足りない」というのは大ウソですよ。

 仮に、全体練習で守備に割く時間が長くなってしまうのならば、個人練習なんていくらでも時間を割けるのですから、自分のキャッチャーの練習が終わってからバッティング練習をすればいい。

 実際、私は足りないと感じたらそうしていました。シーズン中には毎試合のように相手打線の情報を更新する必要がありますが、それが練習に影響をすることもないわけです。つまり、そもそもの個人の能力か、まだ練習が足りないか。「キャッチャーだから」は言い訳でしょう。

<後編は12月28日公開予定>

●里崎智也(さとざき・ともや)
1976年5月20日生まれ。徳島県出身。鳴門工高から帝京大を経て99年ドラフト2位でロッテ入団。06年第1回WBC代表。14年現役引退。現役生活16年の通算成績は1089試合出場、打率.256、108本塁打、458打点、6盗塁。

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