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古代エジプト第15王朝を支配したヒクソス族は外国人勢力ではなかった

カラパイア

古代エジプト、ヒクソス
古代エジプトのヒクソス image by:public domain/wikimedia

 紀元前18世紀頃に古代エジプトに侵入し、第15王朝を成立させ、そこから約1世紀に渡りエジプトを支配したと言われている「ヒクソス」族は、外国人勢力だと考えられてきた。

 だが、2020年7月8日に『PLOS ONE』で発表された、イギリス、ボーンマス大学のクリス・スタンティス氏らの研究によると、ヒクソス族は、実は外国人ではなく、エジプト国内から起こった勢力である可能性が高いという。


ヒクソス王朝が成立する前から移民が混在していた


 ヒクソス族は、紀元前1638年から1530年にかけてエジプトを支配した、初めての外国勢力だと言われてきた。彼らは遠く離れた国からやってきたとされているが、これには疑問がわく。

 考古学的証拠は、ヒクソス文化を近東起源と結びつけているが、彼らがどのように台頭してきたかについては、はっきりとはわかっていない。

 クリス・スタンティス氏ら研究チームは、ナイルデルタの北東にある古代ヒクソスの首都、テル・エルダバで埋葬された75人の人間の歯から、エナメル質のサンプルを集めた。

 歯のストロンチウム同位体の割合を、エジプト人や近隣の市民の環境同位体特性と比べて、この町に住んでいた市民の地理的起源を評価してみた。

 すると、テル・エルダバ市民の大多数は多種多様な場所から移住してきた人たちであることがわかった。この状況は、ヒクソス王朝が成立する以前から続いていたようだ。とすると、エジプトが突然遠方のひとつの国から侵略されたという話とは合わない。

 むしろ、ヒクソスはかつては外から移住してきたが、エジプト国内にあった地域ごとに違う多様な文化のひとつとして、何代にも渡って国内に定住し、最終的に台頭してきたと考えたほうが筋が通る。

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ヒクソス族が持っていたとされるお守り image by:The Metropolitan Museum of Art (CC0)

暴力的侵略ではなく穏やかな支配


 これは、考古学化学を使って、ヒクソスの起源に取り組んだ初めての研究だが、幅広い化学技術を使ってさらに調べを進め、ヒクソスや非エジプト人の祖先を特定する必要があるだろう。

特定の同位体分析といった考古学化学によって、古代エジプトで重要な文化的転換があった時代に、最初に移住してきた人々について知ることができます。

侵略支配というこれまでの古い学説ではなく、人々、とくに女性たちがエジプトに移り住んできて、ヒクソスの支配が始まったことが、暴力による侵略的支配ではなく、経済的、文化的変化が起こって、穏やかな支配につながったのではないかとみています(クリス・スタンティス氏)

Who were the Hyksos?
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0235414
References:zmescience/ written by konohazuku / edited by parumo

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