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セレクトセール落札総額187億超!ディープ亡き今、超高額馬の出現は?

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ディープインパクト(写真)とキングカメハメハ産駒を買えるラストチャンスとなった今年のセレクトセール。“ツートップ”の後継となる馬は現れるか? (photograph by Takuya Sugiyama)

 競馬産業というのは逆境に強い構造になっているのだろうか。愛らしい仔馬に億単位の値がつけられ、それが見る見る上がっていく様を眺めていると、今、私たちがコロナに苦しめられていることを忘れてしまう。

  国内最大の競走馬のセリ市「セレクトセール2020」(日本競走馬協会主催)が、7月13日と14日の2日間にわたって苫小牧のノーザンホースパークで行われた。

  今年のセレクトセールは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年より座席の間隔を空けて大幅に座席数を削減。事前登録した購買者と同伴者のみに入場を制限し、当日登録は認めないなどの対策を講じて開催されることがアナウンスされていた。

  さらに、昨年7月と8月に相次いで世を去ったディープインパクトとキングカメハメハの産駒が上場されるのは初日の1歳馬セールだけで、2日目の当歳馬セールには出てこないことも、あらかじめわかっていた。

  コロナショックに加え、ディープ、キンカメの「ツートップ」の当歳産駒の不在という大きな不安材料を抱えてのスタートだったのだが、蓋を開けてみれば、例年と変わらぬ大変な活況だった。

ディープ&キンカメ産駒のラストチャンス。

  初日の1歳馬セールでは、ディープとキンカメの産駒を買えるラストチャンスということがかえって購買意欲を刺激したのか、特にディープ産駒の高額取引馬が続出した。

  今週の函館2歳ステークスで有力視されているモンファボリの半弟フォエヴァーダーリングの2019を、1歳馬セール史上最高額となる4億円で(株)ダノックスが落札。

  その後、ケンタッキーオークスを制したキャスリンソフィアの半弟シーヴの2019を、「ショウナン」の冠で知られる国本哲秀氏が5億1000万円で競り落とし、1歳馬セール落札額レコードをその日のうちに更新した。国本氏は10億円までは競りつづけるつもりだったという。

1歳馬セール総額は104億円超。

  この日、ディープ産駒は13頭が上場されて12頭が落札。平均落札額は2億円を超えた。キンカメ産駒は10頭が上場されて8頭が落札。うち2頭が1億円を超えた。

  ディープは昨年24頭に種付けしたが、配合相手の多くが海外から持ち込まれた牝馬だったので、“ラストクロップ(その種牡馬の最後の世代)”となった当歳馬がどれだけ日本で走ることになるかわからない。来年のセレクトセールの1歳馬セールに上場される馬がいるかどうかも不明だ。そして、キンカメは、昨年種付けを行わなかったので、今年の1歳馬がラストクロップとなる。

  この1歳セールには計249頭が上場され229頭が落札。売却率は92.0%で、売却総額は104億2800万円。ともに昨年に次ぐ歴代2位の好結果だった。

  ノーザンファーム代表の吉田勝已氏はこう話した。

「この情勢のなか、始まるまでは、とにかく実施できればいいなと思っていました。やらないと馬が回っていきませんからね。実施できないのではないかという不安のほうが大きかったので、この結果には驚いています。無観客とはいえ、競馬が開催されていることが大きな要因だと思います。(感染拡大防止対策として設置した)セリ受付専用電話で4頭が取引されました。今後、いろいろな形で世界中をつないでいければいいと思います」

後継ハーツクライも、若くはない。

  ツートップの産駒が不在だった2日目の当歳馬セールも好調だった。226頭が上場されて203頭が落札。落札率は89.8%、落札総額は83億3400万円。2日間合計の落札総額は187億6200万円で、過去最高だった昨年の205億1600万円に次ぐ歴代2位の記録となった。

  当歳馬セールの落札額のトップ3はハーツクライ産駒が独占し、最高落札額はヒルダズパッションの2020の3億8000万円。「ホウオウ」の冠で知られる小笹芳央氏が落札した。

  ツートップの後継はハーツクライに決まった、と言いたいところだが、ハーツはキンカメが勝ったダービーの2着馬で、今年19歳。けっして若くはない。

  これからは、ハーツを含め、ロードカナロア、ドゥラメンテ、エピファネイア、キズナなど、群雄割拠の時代になっていくのか。

「どの種牡馬の仔が走るかわからない」

  2日間のセールを終え、市場長で、社台ファーム代表の吉田照哉氏はこう総括した。

「この難しい環境でも、いい馬にはいい値段がつきました。コロナに関わらず、ディープがいなくなったことにより、超高額馬が出にくい時代が来たように思います。それでも、良血の繁殖牝馬から生まれて、馬体のいい馬には高い値がついていますね。昔より繁殖牝馬(上場馬の母)のレベルが上がっています。繁殖牝馬に投資した結果が出ているのでしょう。これからはどの種牡馬の仔が走るかわからない時代になると思います」

  コロナの影響で本業が苦しくなった個人馬主も多くいると聞いていたが、今年のセレクトセールを見た限りでは、それを感じることはほとんどなかった。

  やはり、吉田勝己氏も話していたように、無観客でも競馬が例年とさほど変わらぬ売上げで開催され、馬主経済が回っていることが活況につながったのだろう。

  この状況下でも、日本の競馬界全体のレベルは、さらに底上げされている。

text by 島田明宏
「沸騰! 日本サラブ列島」

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